コラム
広島県の景気DIは44.2、4か月連続で改善(2026年9月・TDB景気動向調査)|中国5県で最も高く全国15位、建設は7.5ポイント下がり38.2。先行きの見通しは3つとも4か月ぶりに悪化(帝国データバンク)と、自社の数字を毎月同じ形で残す考え方
帝国データバンクの「TDB景気動向調査(中国ブロック・広島県)2026年9月調査」(2026年10月5日発表)によると、広島県の景気DIは44.2で、前月より0.1ポイント上がり4か月連続で改善しました。中国5県で最も高く、都道府県別の順位は前月の17位から15位に上がりましたが、全国(44.6)は9か月続けて下回っています。業界別では建設が前月より7.5ポイント下がって38.2になり、3か月後・6か月後・1年後の見通しはそろって4か月ぶりに悪化しました。
この記事では、広島県の景気DIを月ごと・県別・業界別・規模別に並べ、日銀短観の数字とのちがいも整理したうえで、景気の数字と並べて見られるように自社の数字を毎月同じ形で残す考え方を書きます。景気の先行きの予想や、投資・借入の判断はこの記事では扱いません。
景気の数字を眺めるだけでなく、自社の売上や受注の数字を毎月そろえる事務をAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
広島県の景気DIはいくつだったのか
2026年9月の広島県の景気DIは44.2です。景気DIは、50より上なら景気が「良い」、下なら「悪い」と判断する企業が多いことを表す指数で、50が分かれ目です。44.2は「悪い」側にありますが、5月の39.3を底に4か月続けて上がり、前年同月(42.8)より1.4ポイント高くなりました。
| 調査月 | 広島県 | 全国 | 広島県-全国 |
|---|---|---|---|
| 2025年9月 | 42.8 | 43.4 | ▲0.6 |
| 2025年10月 | 43.3 | 43.9 | ▲0.6 |
| 2025年11月 | 42.8 | 44.1 | ▲1.3 |
| 2025年12月 | 44.6 | 44.4 | 0.2 |
| 2026年1月 | 43.2 | 43.8 | ▲0.6 |
| 2026年2月 | 43.8 | 44.3 | ▲0.5 |
| 2026年3月 | 42.3 | 42.9 | ▲0.6 |
| 2026年4月 | 39.4 | 41.5 | ▲2.1 |
| 2026年5月 | 39.3 | 41.6 | ▲2.3 |
| 2026年6月 | 41.1 | 42.6 | ▲1.5 |
| 2026年7月 | 43.3 | 43.6 | ▲0.3 |
| 2026年8月 | 44.1 | 44.6 | ▲0.5 |
| 2026年9月 | 44.2 | 44.6 | ▲0.4 |
全国を上回ったのは2025年12月が最後で、2026年1月から9か月続けて全国を下回っています。ただし差は4〜5月の2ポイント台から、9月は0.4ポイントまで縮まりました(「広島県-全国」の列は当サイトの引き算です)。
中国5県で比べると、広島県はどこにいるのか
9月は中国5県すべてで景気DIが上がりました。広島県は5県で最も高い一方、前月からの上がり幅は0.1ポイントで5県の中で最も小さくなっています。
| 県 | 2026年9月 | 前月比 | 都道府県別の順位 | 回答数 |
|---|---|---|---|---|
| 広島 | 44.2 | +0.1 | 15位(前年同月18位) | 217社 |
| 山口 | 43.5 | +0.9 | 21位(同20位) | 115社 |
| 岡山 | 42.9 | +0.6 | 29位(同32位) | 150社 |
| 島根 | 42.2 | +1.4 | 33位(同33位) | 94社 |
| 鳥取 | 40.9 | +2.3 | 40位(同29位) | 57社 |
| 中国ブロック | 43.2 | +0.8 | 全国10地域の7位 | 633社 |
| 全国 | 44.6 | 0.0 | - | 10,235社 |
中国ブロック全体は4か月連続の改善で、全国10地域の順位は前月の9位から7位に上がりました。帝国データバンクは、観光の恩恵があるサービスや卸売の改善が中国ブロックの数字を押し上げたと見ています。
広島県では、どの業界が上がり、どの業界が下がったのか
広島県の業界別では、サービス(48.0)と卸売(45.2)が4か月続けて改善し、運輸・倉庫(43.9)も2か月ぶりに改善しました。一方で、建設は45.7から38.2へ7.5ポイント下がり、4か月ぶりに悪化しています。
| 業界(広島県) | 回答数 | 2026年8月 | 2026年9月 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|
| サービス | 41社 | 44.2 | 48.0 | +3.8 |
| 卸売 | 52社 | 43.5 | 45.2 | +1.7 |
| 不動産 | 7社 | 50.0 | 45.2 | ▲4.8 |
| 製造 | 57社 | 46.1 | 44.2 | ▲1.9 |
| 運輸・倉庫 | 11社 | 37.5 | 43.9 | +6.4 |
| 小売 | 21社 | 40.3 | 39.7 | ▲0.6 |
| 建設 | 24社 | 45.7 | 38.2 | ▲7.5 |
回答が10社に満たない不動産(7社)は、1社の判断の変化で数字が大きく動きます。金融(2社)と農・林・水産(1社)は回答が少ないため表から外しました。業界別の数字は、回答数とあわせて読む必要があります。
会社の規模で見ると、ちがいはあるのか
広島県の大企業は46.1(前月比0.5ポイント増)、中小企業は43.8(横ばい)でした。中小企業のうち小規模企業は44.1で、前月より0.9ポイント上がり、4か月続けて改善しています。
| 規模(広島県) | 回答数 | 2026年5月 | 2026年8月 | 2026年9月 |
|---|---|---|---|---|
| 大企業 | 34社 | 48.0 | 45.6 | 46.1 |
| 中小企業 | 183社 | 37.9 | 43.8 | 43.8 |
| (うち小規模企業) | 65社 | 37.0 | 43.2 | 44.1 |
5月には大企業と中小企業の差が10.1ありましたが、9月は2.3まで縮まりました。9月は、小規模企業の数字が中小企業全体を上回っています。回答した広島県の企業のうち84.3%が中小企業です。
先行きの見通しはどうなっているのか
広島県の企業が答えた先行きの見通しは、3か月後46.1(前月比0.2ポイント減)、6か月後45.9(1.1ポイント減)、1年後46.4(1.3ポイント減)で、3つとも4か月ぶりに悪化しました。いずれも今の44.2よりは高い水準です。
| 業界(広島県) | 今(9月) | 3か月後 | 6か月後 | 1年後 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 44.2 | 46.1 | 45.9 | 46.4 |
| サービス | 48.0 | 49.2 | 47.6 | 46.3 |
| 卸売 | 45.2 | 47.1 | 48.4 | 47.8 |
| 製造 | 44.2 | 45.9 | 45.3 | 48.0 |
| 建設 | 38.2 | 42.4 | 45.1 | 45.1 |
| 小売 | 39.7 | 42.1 | 41.3 | 41.3 |
帝国データバンク広島支店は、建設と不動産が金利の上昇による市況の悪化を心配して3つの見通しがすべて悪化したこと、原材料の高騰や飲食料品の値上げに苦しむ声が多いことを挙げ、景気は力強さを欠く動きが見込まれるとしています。金利の上昇が企業に与える影響は金利上昇の記事にまとめています。
日銀短観の「業況判断DI」とは何がちがうのか
同じ「DI」でも、日本銀行広島支店の短観とは作り方が別です。広島県の短観は日銀短観の記事で読んでいます。
| TDB景気動向調査(この記事) | 日銀短観(広島県分) | |
|---|---|---|
| 調べる会社 | 帝国データバンク | 日本銀行広島支店 |
| 頻度 | 毎月 | 3か月ごと |
| 数字の作り方 | 7段階の判断に点数を付けて集計。0〜100で、50が分かれ目 | 「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引く。0が分かれ目 |
| 規模の重み | なし(1社1票) | 大企業・中堅企業・中小企業に分けて公表 |
数字の物差しがちがうので、「景気DIの44.2」と「短観の業況判断DI」を同じ表で比べることはできません。また、内閣府が経済の統計を組み合わせて作る「景気動向指数」とも別のものです。
自社の数字を、景気の数字と並べて見られるようにするには
ここからは調査の外の話で、当サイトの考えです。景気DIは毎月同じ時期に、同じ形で出てきます。だから先月と比べられます。一方、自社の売上や受注の数字は、経営者が必要なときに会計ソフトや帳面から拾い直していることが多く、毎月同じ形で並んでいないと、景気の数字と並べて見ることもできません。
- 毎月見る数字を3〜5個に決める=売上、受注の件数、問い合わせの件数、主な仕入れの単価など、自社の動きが分かる数字を先に決めておく
- 同じ表に、同じ日に書き写す=毎月の締めの翌日など日にちを決め、会計ソフトや日報から同じ表へ書き写す。表の列は月ごとに変えない
- 前の月と前の年の同じ月との差を書く=増えたか減ったかと、思い当たる理由を1行だけ残す。理由の判断は経営者が行う
- 景気DIを同じ表の横に置く=広島県の景気DIと自社の業界の数字を1列足すと、「景気と同じ動きか、自社だけの動きか」を見比べられる
数字の書き写し、前の月との差の計算、変化を一言でまとめる下書きはAIに任せられます。月初に経営者が数字を拾い直していた時間が戻ります。ただし、どれだけ戻るかは会社の規模や数字の置き場所で変わり、試してみるまで言い切れるものではありません。数字の見方や資金繰りの判断は、税理士などの専門家と一緒に行ってください。
この記事を読むときの注意
- 景気DIの意味=景気DIは、企業が景気をどう判断しているかを7段階で答えてもらい、指数にしたものです。売上の伸び率や、生産の量そのものではありません
- 回答した会社=広島県の数字は、調査対象480社のうち回答した217社(回答率45.2%)の判断です。県内のすべての会社の平均ではありません
- 業界別・規模別=回答数が少ない区分は、少数の会社の判断の変化で大きく動きます。表の回答数とあわせて読んでください
- 当サイトの計算=「広島県-全国」の列は、資料の数字から当サイトが計算したものです
- 新しい版=この調査は毎月発表されます。2026年10月18日に確かめた範囲では、最新は2026年9月調査(10月5日発表)です。10月調査は11月上旬に出る見込みで、数字が変わります
- この記事が扱わないこと=景気の先行きの予想、投資・借入・資金繰りの判断は扱っていません。資金繰りのご心配は、金融機関や税理士、商工会議所・商工会などにご相談ください
- 図表について=資料の図表と企業の声は複製せず、数値を引用して記事用に作り直しています
出典
- 帝国データバンク「TDB景気動向調査2026年9月(中国ブロック:鳥取・島根・岡山・広島・山口)」(2026年10月5日発表)
- 帝国データバンク「景気動向調査とは」(DIの算出方法)
- 日銀短観の広島県分の記事(当サイト)
- 金利上昇による企業への影響の記事(当サイト)
※本記事は2026年10月18日時点の公表情報にもとづいています。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
景気DIは毎月同じ形で出てくるから、先月と比べられます。自社の売上や受注の数字も、毎月同じ表に同じ日に残せば、景気の数字と並べて見られます。数字の書き写しと前の月との差のまとめは、AIに任せられます。
任せられる仕事の一覧は支援内容にまとめています。
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