コラム
広島県の転出超過は9,921人で2年続けて全国最多(2025年)|日本人だけなら4番目、外国人の転出超過3,322人が上乗せ
総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」によると、広島県の転出超過数は9,921人で、都道府県の中で最も多い数でした(日本人と外国人を合わせた数)。2024年の1万711人からは790人縮んでいますが、2024年もこの表の中では広島県が最も多く、2年続けての全国最多です。いっぽう日本人だけで数えると6,599人で4番目になり、残りの3,322人は外国人の転出超過です。
この記事では、広島県の転入・転出の人数、全国の順位、日本人と外国人の内訳、中国5県との比較、国外との出入りまで入れた社会増減を表にまとめ、人が出ていく県で経営者が先に手を付けられることを書きます。人口の減り方(自然減と社会減)は広島県の人口の記事、人手不足の割合は広島県の人手不足の記事で扱っています。
人を足しにくい県で、今いる人の事務をAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
広島県の転出超過は2025年に何人か
2025年に他の都道府県から広島県へ移ってきた人は4万3316人、広島県から他の都道府県へ移った人は5万3237人で、差し引き9,921人の転出超過です。転入はほぼ前年並み(73人減)で、転出が863人減ったぶん、転出超過は790人縮みました。
| 広島県(日本人及び外国人) | 2024年 | 2025年 | 前年との差 |
|---|---|---|---|
| 転入者数(他の都道府県から) | 4万3389人 | 4万3316人 | 73人減 |
| 転出者数(他の都道府県へ) | 5万4100人 | 5万3237人 | 863人減 |
| 転出超過数 | 1万711人 | 9,921人 | 790人縮小 |
| 転入者の移動率 | 1.58% | 1.59% | 0.01ポイント |
| 転出者の移動率 | 1.97% | 1.95% | ▲0.02ポイント |
| 転出超過率 | 0.39% | 0.36% | 0.03ポイント縮小 |
移動率は、人口に対して何%の人が出入りしたかを表す数字です。転出超過率は0.36%で、県の人口のおよそ280人に1人が、差し引きで県外へ出た計算になります(当サイトの計算)。人数では全国最多でも、人口に対する割合では、愛媛県・高知県・長崎県(いずれも0.44%)など広島県より高い県がいくつもあります。
全国で何番目に多いのか
2025年に転出超過となったのは40道府県で、広島県が最も多く、福島県(7,197人)、静岡県(6,711人)が続きます。転入超過は東京都(6万5219人)など7都府県でした。
| 順位 | 日本人及び外国人 | 日本人だけ | 外国人だけ |
|---|---|---|---|
| 1位 | 広島県 9,921人 | 静岡県 7,919人 | 千葉県 8,252人 |
| 2位 | 福島県 7,197人 | 福島県 7,617人 | 愛知県 3,987人 |
| 3位 | 静岡県 6,711人 | 新潟県 6,897人 | 福岡県 3,740人 |
| 4位 | 新潟県 6,379人 | 広島県 6,599人 | 広島県 3,322人 |
| 5位 | 三重県 5,986人 | 三重県 5,938人 | 茨城県 3,296人 |
日本人だけ・外国人だけの順位は、資料の表12と表23の都道府県別の数字を当サイトで並べたものです。広島県は、日本人でも外国人でも4番目に多く転出超過になっていて、その2つが重なることで合計が全国最多になっています。
日本人と外国人、男性と女性に分けるとどうなるか
広島県の9,921人を分けると、日本人が6,599人、外国人が3,322人です。日本人は前年より619人、外国人は171人縮みました。外国人は県外からの転入が4,786人(前年比20.5%増)と増えましたが、県外への転出も8,108人(同8.6%増)に増えています。
| 広島県の転出超過数 | 2024年 | 2025年 | 前年との差 |
|---|---|---|---|
| 日本人 | 7,218人 | 6,599人 | 619人縮小 |
| うち男性 | 3,314人 | 3,222人 | 92人縮小 |
| うち女性 | 3,904人 | 3,377人 | 527人縮小 |
| 外国人 | 3,493人 | 3,322人 | 171人縮小 |
| 合計 | 1万711人 | 9,921人 | 790人縮小 |
日本人の転出超過は、女性(3,377人)が男性(3,222人)をわずかに上回ります。前年からの縮み方も女性のほうが大きく、527人縮みました。
国外との出入りまで入れると、どれだけ減ったのか
人口移動報告の転出超過は、国内の都道府県どうしの移動だけを数えた数字です。国外からの転入と国外への転出なども入れた社会増減は、広島県で1,851人の減少でした(2024年は2,352人の減少)。
| 広島県(2025年) | 人数 |
|---|---|
| 転入者数(国内) | 4万3316人 |
| 転出者数(国内) | 5万3237人 |
| 国外からの転入者数 | 1万8079人 |
| 国外への転出者数 | 9,359人 |
| 職権消除等 | 1,094人 |
| 移動前の住所地不詳 | 1,744人 |
| 社会増減 | 1,851人の減少 |
国外から来た人が国外へ出た人より8,720人多く(当サイトの計算)、国内での転出超過の大部分を埋めています。県外へ出ていく人が全国で最も多いことと、県の人口の減り方の中心が社会減ではなく自然減であることは、両方とも成り立ちます。広島県が独自に集計している人口移動統計では数え方が違うため、県の人口の記事の数字(令和6年の社会減2,717人)とは一致しません。
中国5県と比べるとどうか
中国5県はすべて転出超過で、広島県の9,921人は岡山県(5,594人)の約1.8倍です。日本人だけで比べても広島県が最も多くなります。
| 県 | 転出超過数(日本人及び外国人)2025年 | 同 2024年 | 日本人だけ 2025年 | 転出超過率 2025年 |
|---|---|---|---|---|
| 広島県 | 9,921人 | 1万711人 | 6,599人 | 0.36% |
| 岡山県 | 5,594人 | 5,583人 | 4,168人 | - |
| 山口県 | 4,907人 | 4,357人 | 4,696人 | - |
| 鳥取県 | 2,028人 | 1,830人 | 2,016人 | - |
| 島根県 | 1,721人 | 2,010人 | 1,979人 | - |
前年と比べて転出超過が縮んだのは広島県と島根県で、岡山県・山口県・鳥取県は広がりました。転出超過率は、ほかの4県の数字をこの記事では確かめていないため「-」にしています。
どこへ出ていくのか
行き先の都市圏ごとの数字は、日本人の移動だけが集計されています。東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)は、4年続けて東京圏以外のすべての道府県との間で転入超過になっていて、広島県から見ても東京圏へは出ていく人のほうが多い形です。大阪圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)については、大阪圏が転入超過となっている35道県のうち、資料の本文が最初に挙げているのが広島県(2,807人)です。
この記事では、東京圏・名古屋圏への移動の人数を広島県について確かめていません。行き先の内訳を細かく見る場合は、e-Statの統計表(都道府県別・移動前の住所地別)を開いてください。
人が出ていく県で、経営者は何から手を付けるか
ここからは調査の外の話で、当サイトの考えです。広島県は、差し引きで年に約1万人が県外へ移っています。求人を出して人を足す方法は残りますが、応募を待つ時間も、採れた人に仕事を覚えてもらう時間もかかります。その前に、今いる人と経営者が抱えている事務を軽くしておくと、人が辞めたときや採れなかったときの痛手が小さくなります。
- 辞めると止まる仕事を書き出す=特定の人しかやり方を知らない事務(見積書の作り方、取引先ごとの請求の決まり、役所への届け出の順番など)を一覧にする
- 手順を文章にして残す=その人に口で話してもらい、AIに手順書の下書きにまとめさせて、本人が確かめる。採用した人にもそのまま渡せる
- 下書きと書き写しを渡す=問い合わせの返事、日報や記録のまとめ、表への書き写しはAIに下書きを作らせ、人が確かめてから使う。判断とお客様との約束は人が持つ
- 1つ試してから広げる=いちばん時間がかかっている事務を1つ選んで試し、うまくいった頼み方を残してから次へ進む
下書きと書き写しをAIに任せると、その時間が経営者と今いる人に戻ります。ただし、どれだけ戻るかは業種や事務の量で変わり、試してみるまで言い切れるものではありません。
この記事を読むときの注意
- 調査の時点=住民基本台帳人口移動報告の2025年(令和7年)1月〜12月の結果です。2026年10月22日に総務省統計局のページを確かめた時点の公表内容にもとづいています
- 何を数えた数字か=住民票の届け出(転入届)をもとにした、都道府県をまたぐ移動の数です。届け出をせずに移った人は数に入りません
- 日本人と外国人=見出しの9,921人は日本人と外国人を合わせた数です。日本人だけの数字は6,599人で、全国の順位も変わります
- 当サイトの計算と並べ替え=「日本人だけ」「外国人だけ」の順位、「約280人に1人」「国外からの転入が国外への転出より8,720人多い」は、資料の表の数字を当サイトで並べ替え・計算したものです
- 広島県の統計とのちがい=広島県が独自にまとめている人口移動統計調査とは数え方が違うため、数字は一致しません。この記事では2つを混ぜていません
- この記事が扱わないこと=採用の進め方や人件費、移住・定住の施策の評価は扱っていません。採用や労務は社会保険労務士、商工会議所・商工会などの専門家にご相談ください
- 図表について=資料の図表は複製せず、数値を引用して記事用に作り直しています
出典
- 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」
- 総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果の概要」(PDF)
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「住民基本台帳人口移動報告」統計表
- 広島県の人口の記事(当サイト)
- 広島県の人手不足の記事(当サイト)
※本記事は2026年10月22日時点の公表情報にもとづいています。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
広島県は県外へ出ていく人が全国で最も多く、人を足して事務を回す方法には時間がかかります。特定の人しか知らない手順を文章で残し、返事の下書きや記録のまとめをAIに任せると、その時間が経営者と今いる人に戻り、人が入れ替わっても仕事が止まりにくくなります。
任せられる仕事の一覧は支援内容にまとめています。
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