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広島県で健康経営に取り組む企業は60.4%|取り組まない理由の1位は「適当な人材確保が困難」31.0%(帝国データバンク広島支店の2023年調査)と、健診の日程や残業時間の集計を手順にする事務の考え方

帝国データバンク広島支店の「広島県 健康経営への取り組みに対する企業の意識調査」(2023年11月21日発表)によると、健康経営に「取り組んでいる」と答えた広島県の企業は60.4%でした。「取り組んでいない」は21.9%、「分からない」は17.7%です。取り組んでいない企業が挙げた理由の1位は「適当な人材確保が困難」の31.0%でした。

この記事では、規模別・業種別の違い、取り組みの具体的な内容、取り組まない理由、導入したいサービスの数字を読んだうえで、担当できる人がいない会社で手順にして渡せる事務を整理します。2023年の調査である点にご注意ください。健康への効果、心身の不調への対処、医療の判断は扱いません。

担当の人を新しく置く代わりに、健診の日程や残業時間の集計といった事務をAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →

広島県で、健康経営に取り組んでいる企業は何%か

60.4%です。有効回答265社のうち160社が「取り組んでいる」と答えました。全国の56.9%を3.5ポイント上回っています。

区分取り組んでいる取り組んでいない分からない回答社数
広島県60.4%(160社)21.9%(58社)17.7%(47社)265社
全国56.9%(6,284社)26.7%(2,942社)16.4%(1,813社)11,039社
広島県の大企業68.4%(26社)15.8%(6社)15.8%(6社)38社
広島県の中小企業59.0%(134社)22.9%(52社)18.1%(41社)227社
うち小規模企業51.5%(35社)25.0%(17社)23.5%(16社)68社

「取り組んでいない」は全国より4.8ポイント低くなっています。規模で見ると、大企業、中小企業、小規模企業の順に「取り組んでいる」の割合が下がります。小規模企業では、ほぼ4社に1社が「分からない」と答えました。

従業員の人数や業種で、取り組みはどう違うのか

従業員5人以下の企業では44.7%で、県全体より15.7ポイント低くなっています(当サイトの引き算です)。6人以上の区分は、どこも6割前後かそれ以上でした。

従業員数取り組んでいる取り組んでいない分からない回答社数
5人以下44.7%27.7%27.7%47社
6人〜20人66.2%21.5%12.3%65社
21人〜50人59.5%25.7%14.9%74社
51人〜100人64.1%17.9%17.9%39社
101人〜300人64.0%16.0%20.0%25社
301人〜1,000人84.6%0.0%15.4%13社

1,000人超は回答が2社だけのため、表から外しました。業種別は、回答が10社以上ある6業種を載せます。

業種取り組んでいる取り組んでいない分からない回答社数
卸売73.9%17.4%8.7%69社
建設61.3%12.9%25.8%31社
運輸・倉庫60.0%13.3%26.7%15社
サービス58.5%26.8%14.6%41社
製造54.5%29.9%15.6%77社
小売52.6%5.3%42.1%19社

卸売が73.9%でいちばん高く、製造は「取り組んでいない」が29.9%でいちばん高くなっています。小売は「分からない」が42.1%を占めました。運輸・倉庫は15社、小売は19社の答えなので、1社の答えで5〜7ポイント動きます。

取り組んでいる企業は、具体的に何をしているのか

「定期健康診断の実施」が91.3%で最多です。取り組んでいると答えた160社に、内容を複数回答で尋ねた結果です。

順位具体的な内容割合社数
1定期健康診断の実施91.3%146社
2職場の喫煙対策の実施52.5%84社
3労働時間・労働密度など心身の過重負荷要因の改善47.5%76社
4感染症対策の実施41.9%67社
5メンタルヘルスに関する対策35.6%57社
6産業医の選任34.4%55社
7残業の事前申告制度31.3%50社
8がん検診・人間ドック等検診の実施28.8%46社
9健康教育(食事・生活習慣など)や健康相談の実施25.0%40社
10全社方針として明文化している21.9%35社

上位には、健診の実施、労働時間の見直し、残業の事前申告のように、日付と時間と人の名前を扱う事務が並んでいます。「全社方針として明文化している」は21.9%で、取り組んでいる企業のなかでも、紙にしているのは5社に1社ほどでした。

取り組んでいない企業は、なぜ取り組めないのか

1位は「適当な人材確保が困難」の31.0%です。取り組んでいないと答えた58社に、理由を複数回答で尋ねた結果です。

順位理由割合社数
1適当な人材確保が困難31.0%18社
2効果的な実施方法が分からない25.9%15社
3(取り組むための)時間確保が困難22.4%13社
3費用対効果が分からない22.4%13社
5経費がかかる20.7%12社
6経営者層の関心が低い19.0%11社
6取り組みの成果が見えにくい19.0%11社
8設備・場所の確保が困難12.1%7社
9定着や浸透に時間がかかる6.9%4社
10労働者の理解が得られない5.2%3社

上位3つは、人がいない、やり方が分からない、時間がない、です。お金の理由(費用対効果が分からない・経費がかかる)はその次に来ます。58社の答えなので、1社で約1.7ポイント動く点にご注意ください(当サイトの計算です)。県内の人手の状況は広島県の人手不足の割合にまとめています。

長時間の残業や心の不調を抱える人がいる企業は、どれくらいか

過去1年間に「過重労働時間となる労働者がいる」と答えた企業は9.4%(25社)、「メンタルヘルスが不調となる労働者がいる」と答えた企業は19.6%(52社)でした。どちらも有効回答265社に対する割合です。

従業員数過重労働時間となる労働者が「いる」メンタルヘルスが不調となる労働者が「いる」回答社数
広島県の全体9.4%19.6%265社
5人以下4.3%8.5%47社
6人〜20人6.2%10.8%65社
21人〜50人10.8%18.9%74社
51人〜100人7.7%23.1%39社
101人〜300人12.0%44.0%25社
301人〜1,000人30.8%38.5%13社

この調査でいう過重労働時間は「1か月に100時間を超える時間外・休日労働」です。メンタルヘルスの不調は、病名がつくものに限らず、強い悩みや不安などを広く含むものとして尋ねています。人数が多い企業ほど「いる」の割合が高い傾向ですが、働く人が多ければ1人でもいる確率が上がるので、人数の少ない会社のほうが状態がよい、とは読めません。レポートは、従業員が少ない企業では1人の不調が事業に与える影響が大きくなる、と書いています。

企業が導入したいサービスは何か

「健診結果のデータ化・管理、分析」が23.8%で最多です。265社に複数回答で尋ねた結果です。

順位導入したいサービス割合社数
1健診結果のデータ化・管理、分析23.8%63社
2メンタルヘルスに関する各種チェックの策定・実施20.0%53社
3健診手配・精算代行19.2%51社
4従業員に対する教育研修18.9%50社
5ストレスチェックに関する運営18.5%49社
6社外の運動施設の利用(スポーツクラブなど)13.2%35社
7健康保持・増進についてのコンサルティング12.1%32社
8保健指導プログラムの策定・実施10.9%29社

3位の「健診手配・精算代行」(19.2%)は、医療の中身ではなく、予約を取る、日程を知らせる、費用を精算する、という事務です。ほぼ5社に1社が、この事務をだれかに任せたいと答えたことになります。

担当できる人がいない会社で、手順にして渡せる事務は何か

ここからはレポートの外の話で、当サイトの考えです。取り組まない理由の上位は「人がいない」「やり方が分からない」「時間がない」でした。一方で、取り組んでいる企業がしていることの上位には、事務の部分がかなり含まれています。10人未満の会社では、その事務を経営者か、経理を兼ねている1人が抱えていることが珍しくありません。手順にして渡せるのは次の4つです。

  • 健診の日程調整=受ける人の一覧、希望日の聞き取り、予約の空きとの突き合わせ、本人への案内文
  • 受けたかどうかの記録=だれが、いつ受けたか、まだの人はだれか。日付と済・未だけの一覧と、まだの人への声かけの文面
  • 残業時間の集計=勤怠の記録から、月ごと・人ごとの時間外の合計を出し、決めた時間を超えそうな人を月の途中で一覧にする
  • 残業の事前申告の受付=申告の書式、受け付けた内容の一覧、月末のまとめ

たとえば健診の日程調整は、受ける人の一覧と医療機関の空き日を渡し、AIに組み合わせの案と案内文の下書きを作らせます。経営者や担当の方は、案を見て直し、送るだけで済みます。残業時間の集計は、勤怠の表を読ませて人ごとの合計を出させ、超えそうな人の一覧を週に1回作らせる形にできます。その分の時間が、経営者と担当の方に戻ります。

線を引いておく場所が1つあります。健診の結果そのもの(数値や所見)は、AIに読ませる対象にしません。体の状態に関する情報で、取り扱いに特別な配慮が要るものだからです。当サイトがAIに渡す例として挙げているのは、日程、受けたかどうか、時間の合計という「枠」のところまでです。結果を見て何をするか、働き方をどう変えるかは、産業医や医療機関、社会保険労務士などの専門家と決めることです。

休みの取り方については広島県の有給休暇の取得率に、仕事中のけがについては広島県の労働災害にまとめています。

この記事を読むときの注意

  • 対象=広島県に本社を置く企業702社に尋ね、265社が答えた意識調査です(回答率37.7%)。調査期間は2023年9月15日から9月30日。答えた企業の数字で、県内のすべての企業の実態ではありません
  • 発表の時期=2023年11月21日の発表で、3年近く前の数字です。2026年10月11日に検索で新しい版を探しましたが、広島県の版は見つかりませんでした。出ている可能性は残ります
  • 「取り組んでいる」の中身=何をもって取り組んでいるとするかは、答えた企業の判断です。定期健康診断の実施だけを指して「取り組んでいる」と答えた企業も含まれます
  • 規模の区分=大企業・中小企業・小規模企業の分け方は、レポートに説明がありません。小規模企業は中小企業の内数です
  • 回答社数が少ない区分=業種別は回答10社以上の6業種だけを載せました(農・林・水産3社、金融2社、不動産8社は省いています)。従業員1,000人超(2社)も表から外しました。取り組まない理由は58社の答えです
  • 表の作り方=取り組まない理由の「その他」(5.2%・3社)は省きました。過重労働とメンタルヘルスの表は「いる」の割合だけを載せ、「いない」「分からない」は省いています
  • 当サイトの計算=5人以下と県全体の差15.7ポイント、「1社で5〜7ポイント」「1社で約1.7ポイント」「5社に1社ほど」は、レポートの数字から当サイトが計算・言い換えたものです
  • この記事が扱わないこと=健康への効果、心身の不調への対処、医療の判断、法令で決まっている健診や面接指導の範囲、認定制度の取り方は扱っていません
  • 言葉について=「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です
  • 転載について=レポートは転載を禁じているため、表は複製せず、数値を引用して記事用に作り直しています

出典

※本記事は2026年10月11日時点の公表情報にもとづいています。

この記事に出てきた仕事、AIに任せると

取り組めない理由の1位は、担当できる人がいないことでした。健診の日程を組み直す、受けたかどうかを一覧に残す、残業時間を月ごとにまとめる。体の中身には触れない、日付と時間の事務は、手順にしてAIに渡せます。

任せられる仕事の一覧は支援内容にまとめています。

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