コラム
広島県の有給休暇の取得率は65.8%、1人10.7日|職場環境実態調査(令和7年度)、男性の育休は53.8%で10〜29人の事業所が70.3%といちばん高い
広島県が県内の事業所に毎年たずねている職場環境実態調査で、令和7年度の年次有給休暇の取得率は65.8%、1人当たりの取得日数は平均10.7日でした。1人に平均16.3日が付与され、そのうち10.7日を使い、5.6日が残っています。
取得率は令和3年度の56.5%から5年続けて上がり、9.3ポイント伸びました。男性の育児休業取得率は53.8%で前年度から7.6ポイント上がり、事業所の規模別では10〜29人の事業所が70.3%でいちばん高い結果です。有給休暇の推移、育児休業の規模別、事業主が挙げた課題の順に見ていきます。
小さな会社で人が休むと、その人の仕事は誰かが引き受けることになります。休んでも仕事が止まらない形を先につくる方法を記事の最後にまとめています →
広島県の有給休暇の取得率は何%か
令和7年度は65.8%です。取得率は、付与された日数のうち実際に取得した日数の割合です。県の調査で並ぶ5年分は次のとおりです。
| 年度 | 1人当たりの付与日数 | 1人当たりの取得日数 | 取得率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 15.3日 | 8.7日 | 56.5% |
| 令和4年度 | 16.2日 | 9.6日 | 59.6% |
| 令和5年度 | 16.1日 | 10.4日 | 64.6% |
| 令和6年度 | 15.6日 | 10.2日 | 65.4% |
| 令和7年度 | 16.3日 | 10.7日 | 65.8% |
取得日数は5年で8.7日から10.7日へ2.0日ふえました。ただし上がり幅は令和5年度までが大きく、令和6年度は0.8ポイント、令和7年度は0.4ポイントと小さくなっています。令和7年度の数字は942事業所・62,523人分の集計です。
男性の育児休業はどのくらい取られているか
令和7年度の男性の育児休業取得率は53.8%で、前年度の46.2%から7.6ポイント上がりました。女性は98.5%です。取得した男性は235人から362人にふえています。
| 事業所の規模 | 男性の対象者 | 取得した男性 | 男性の取得率 |
|---|---|---|---|
| 10〜29人 | 64人 | 45人 | 70.3% |
| 30〜49人 | 50人 | 29人 | 58.0% |
| 50〜100人 | 91人 | 47人 | 51.6% |
| 101〜300人 | 132人 | 70人 | 53.0% |
| 301人以上 | 336人 | 171人 | 50.9% |
| 全体 | 673人 | 362人 | 53.8% |
いちばん小さい10〜29人の事業所で取得率がいちばん高く、301人以上の50.9%を約19ポイント上回ります。ただし10〜29人の対象者は64人と少なく、数人の違いで率が大きく動く点には注意が要ります。
取得期間は、男性は「1週間〜1か月未満」が145人(40.1%)でいちばん多く、「1か月〜3か月未満」が125人(34.5%)で続きます。1週間未満を含めると、取得した男性の約半数(50.8%)が1か月未満です。女性は「1年〜2年未満」が49.9%でいちばん多い結果でした。
事業主は何を課題に挙げているか
働きやすい職場づくりや働き方改革に取り組んでいる内容は、「残業時間の削減」が73.4%、「休暇の取得促進」が67.0%で上位です。その取組の主な推進役は、経営者層(役員を含む)と答えた事業所が50.5%で、半数の事業所では経営者層が自ら進めています。
一方で、取組を進める際の課題は「業務量に対する適正要員の確保」が44.6%でいちばん多く、「従業員の意識改革や理解促進」41.8%が続きます。休みを取りやすくしたくても、仕事の量に見合う人数がそろわない、という答えです。
テレワークを実施している事業所は19.2%(979事業所のうち188)で、前年度から4.4ポイント上がりました。「導入する予定はない」は640事業所です。テレワークを実施する上での課題は「テレワークに適した業務がない」が53.9%でいちばん多く挙がっています。
自社に置き換えると
この調査から言えるのは、広島県の事業所では休暇の取得が5年で着実に進み、小さな事業所ほど男性の育児休業も取られている一方、事業主のいちばんの悩みは人数が足りないことだということです。
人数の少ない会社で誰かが休むと、その人の仕事は残った人が引き受けます。1週間〜1か月の育児休業でも、その間の問い合わせへの返信や、月末の請求、取引先との約束ごとは止められません。休みを取りやすくするには、人をふやす前に「その人がいなくても仕事が回る形」を用意しておく必要があります。
準備の中身は、担当者の頭の中にある手順を文章にしておくこと、よく来る問い合わせへの返信の型をそろえておくこと、休みの前に引き継ぎのメモを残すことです。これらは、担当者が話した内容をAIに聞き取らせて下書きにし、本人が確かめて直す形にすると、短い時間で進められます。できた手順書は、休暇のときだけでなく、新しく人を迎えるときの教材にもなります。
ただし、休暇や育児休業の制度そのもの(就業規則の定め、給付の手続きなど)は、社会保険労務士や労働局に確認して整えるものです。AIで決めてよいものではありません。
この統計を読むときの注意
- 県の独自調査で、回答した事業所の数字=県内に本社・本店がある常用雇用者10人以上の2,500事業所に郵送で調査し、1,017事業所(40.7%)が回答しました。県内のすべての会社を数えたものではなく、9人以下の会社は対象外です
- 年度によって集計した事業所が違う=有給休暇を集計した事業所は、令和5年度が717、令和7年度が942と年ごとに異なります。推移は同じ会社を追いかけた数字ではありません
- 調査の時点=調査基準日は令和7年6月1日です。有給休暇は令和6年1〜12月または令和6年4月〜令和7年3月の実績、育児休業は令和6年4月〜令和7年3月の実績です
- 業種別・市町別の数字は取り上げていない=本記事は県全体の数字です。竹原市・三原市など市町ごとの値は調査結果に示されていません
- 一部は当社の計算=残っている日数(5.6日)、5年間の伸び(9.3ポイント・2.0日)、規模による差(約19ポイント)、1か月未満の割合(50.8%)は、公表値をもとに当社で計算しました
出典
※本記事は2026年9月26日時点の公表情報にもとづいています。令和8年度の調査結果は、例年どおりであれば2026年10月ごろに公表されます。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
人数の少ない会社で休みを取りやすくする準備は、担当者がいなくても仕事が回る形を先につくっておくことです。手をつける順番は、よく来る問い合わせへの返信の下書きを型にそろえさせる、休みの前に担当者が話した内容を引き継ぎのメモに残させる、その手順を誰が読んでも同じようにたどれる社内マニュアルに整えさせる、の3つです。
担当が休むときや代わるときの引き継ぎ書をつくる進め方は引き継ぎ資料に、手順を文章にして残す進め方は社内マニュアルにまとめています。
ご相談について
「どの作業なら任せられるのか、まだ分からない」という段階で、まったく問題ありません。オンラインは全国どこでも対応します。対面をご希望の場合は広島県内へお伺いします。竹原市に拠点があるため、竹原・三原・東広島は特にお伺いしやすい地域です。
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