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広島県で生成AIを業務に活用している企業は34.7%|懸念の1位は「情報の正確性」50.2%(帝国データバンク広島支店の2026年3月調査)と、使う業務の範囲と確かめる手順の決め方

帝国データバンク広島支店の「中国地方・生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年6月5日発表)によると、生成AIを業務で「活用している」と答えた広島県の企業は34.7%(236社のうち82社)でした。中国地方の全体は33.4%、全国は34.5%です。懸念や課題の1位は「情報の正確性」の50.2%で、「生成AIを活用すべき業務の範囲」の40.1%が続きました(どちらも中国地方の数字です)。

この記事では、県別・規模別・業種別の違い、効果の感じ方、使っている業務、悪影響やトラブル、懸念の数字を読んだうえで、使う業務の範囲と、確かめる手順の決め方を整理します。答えた企業の自己評価を集めた意識調査です。特定の製品やサービスの良し悪しは扱いません。

どの業務に使うかを決めきれないまま使い始める代わりに、任せる仕事を先に決めてAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →

広島県で、生成AIを業務に活用している企業は何%か

34.7%です。広島県の回答236社のうち、「非常に活用している」が9社、「やや活用している」が73社で、合わせて82社でした。全国の34.5%とほぼ同じ水準です(差は0.2ポイント。当サイトの引き算です)。

回答広島県中国地方全国
活用している(下の2つの合計)34.7%(82社)33.4%(221社)34.5%(3,560社)
非常に活用している3.8%(9社)3.8%(25社)4.4%(450社)
やや活用している30.9%(73社)29.7%(196社)30.2%(3,110社)
あまり活用していない16.1%(38社)12.0%(79社)13.6%(1,400社)
ほとんど活用していない24.6%(58社)26.5%(175社)23.3%(2,403社)
いまは活用していないが、今後の活用を検討している10.2%(24社)12.3%(81社)14.2%(1,466社)
いまは活用しておらず、今後も活用する予定はない9.7%(23社)10.0%(66社)8.6%(886社)
活用を禁止している0.0%(0社)0.5%(3社)0.4%(40社)
分からない4.7%(11社)5.4%(36社)5.4%(557社)
回答社数236社661社10,312社

広島県では、「あまり活用していない」と「ほとんど活用していない」を合わせると40.7%(96社)になります(当サイトの足し算です)。活用していると答えた企業(34.7%)より、あまり・ほとんど活用していないと答えた企業のほうが多い、という並びです。「活用を禁止している」と答えた広島県の企業はありませんでした。

中国5県や規模、業種で、活用の割合はどう違うのか

中国5県では山口県の36.9%がいちばん高く、広島県の34.7%は2番目です。鳥取県は24.1%でした。

県活用している今後の活用を検討している回答社数
山口県36.9%(45社)8.2%(10社)122社
広島県34.7%(82社)10.2%(24社)236社
岡山県32.9%(50社)15.8%(24社)152社
島根県32.3%(30社)12.9%(12社)93社
鳥取県24.1%(14社)19.0%(11社)58社

規模別と業種別は、広島県だけの数字がレポートに無いため、中国地方の数字で見ます。規模が大きいほど活用の割合が高くなっています。

規模(中国地方)活用している今後も活用する予定はない回答社数
大企業42.7%(38社)2.2%(2社)89社
中小企業32.0%(183社)11.2%(64社)572社
うち小規模企業29.5%(62社)14.3%(30社)210社

小規模企業は29.5%で、大企業より13.2ポイント低くなっています(当サイトの引き算です)。「今後も活用する予定はない」は小規模企業で14.3%と、大企業の2.2%より高くなりました。

業種(中国地方)活用しているほとんど活用していない回答社数
サービス48.2%(54社)15.2%(17社)112社
建設33.7%(33社)32.7%(32社)98社
製造33.0%(59社)27.9%(50社)179社
小売30.2%(19社)25.4%(16社)63社
不動産30.0%(6社)35.0%(7社)20社
卸売26.1%(37社)29.6%(42社)142社
運輸・倉庫19.2%(5社)26.9%(7社)26社

回答が20社以上ある7業種を載せました。サービスが48.2%でいちばん高く、運輸・倉庫は19.2%でした。不動産は20社、運輸・倉庫は26社の答えなので、1社の答えで4〜5ポイント動きます。県内の産業の内訳は広島県の製造業の数字にまとめています。

活用している企業は、効果を感じているのか

広島県では、活用している82社のうち72社(87.8%)が「効果が出ている」と答えました。「大いに効果が出ている」が19社、「やや効果が出ている」が53社です。

回答広島県中国地方全国
効果あり(下の2つの合計)87.8%(72社)85.5%(189社)86.7%(3,087社)
大いに効果が出ている23.2%(19社)24.4%(54社)25.2%(897社)
やや効果が出ている64.6%(53社)61.1%(135社)61.5%(2,190社)
どちらともいえない9.8%(8社)11.3%(25社)10.3%(367社)
あまり効果が出ていない0.0%(0社)0.0%(0社)0.9%(32社)
ほとんど効果が出ていない0.0%(0社)0.0%(0社)0.1%(5社)
分からない・不回答2.4%(2社)3.2%(7社)1.9%(69社)
回答社数(活用している企業)82社221社3,560社

読むときに気をつけたい点が2つあります。1つめは、これは活用していると答えた企業だけに尋ねた数字で、「あまり活用していない」「ほとんど活用していない」と答えた企業は含まれていないことです。使ってみて合わなかった企業があれば、そちらに入っている可能性があります。2つめは、効果の中身や大きさを測ったものではなく、答えた企業の自己評価であることです。多いのは「大いに」ではなく「やや」のほうでした。

活用している企業は、どんな業務に使っているのか

「文章の作成・要約・校正」が44.8%で最多です。活用している中国地方の221社に、主な活用業務を尋ねた結果です。

順位主な活用業務中国地方の全体うち小規模企業
1文章の作成・要約・校正44.8%40.3%
2情報収集25.3%33.9%
3企画立案時のアイデア出し10.0%12.9%
4コード生成などのプログラミング支援6.3%1.6%
5データの集計・分析3.6%1.6%
6翻訳・外国語の文章の作成3.2%1.6%
7新たな作業の手順確認1.4%1.6%
7経理・経費計算などの事務の代行1.4%3.2%
7社内向けヘルプデスク1.4%0.0%
10顧客対応の自動化(カスタマーサポートなど)0.0%0.0%

上位3つ(文章、情報収集、アイデア出し)で80.1%を占めます(当サイトの足し算です)。「経理・経費計算などの事務の代行」は1.4%、「顧客対応の自動化」は0.0%でした。レポートは、業務の判断そのものを代わりにさせるというより、判断の手前にある情報の整理や文章化の補助として使われている、と読んでいます。

活用して、悪影響やトラブルは起きているのか

「悪影響やトラブルはない」が68.8%(152社)で最多です。同じ221社に複数回答で尋ねた結果です。

順位悪影響・トラブル中国地方の全体うち小規模企業
1悪影響やトラブルはない68.8%64.5%
2AIを使いこなせる社員と使いこなせない社員の間で、能力や成果の格差が拡大した16.3%12.9%
3社員から類似した意見や報告が出るようになり多様性が低下した5.9%4.8%
3社員が業務をAI任せにして、仕事への意欲やスキルが低下した5.9%9.7%
5基礎的な業務をAIが担うようになり、若手が育たなくなった3.2%3.2%
6出力結果の誤りにより社内外でトラブルや損害が発生した2.7%4.8%

2位は、使いこなせる人とそうでない人の差が広がった、という答えの16.3%(36社)でした。使い方が1人ずつの工夫に任されていると、差は個人の側に溜まっていきます。「出力結果の誤りにより社内外でトラブルや損害が発生した」は2.7%(6社)です。割合は小さいものの、0ではありません。

企業は、生成AIの何を懸念しているのか

「情報の正確性」が50.2%(332社)で最多です。こちらは活用していない企業も含めた中国地方の661社に、3つまでの複数回答で尋ねた結果です。

順位懸念・課題中国地方の全体うち小規模企業
1情報の正確性50.2%49.0%
2生成AIを活用すべき業務の範囲40.1%33.3%
3専門人材・ノウハウ不足39.2%32.4%
4情報漏洩のリスク32.2%28.1%
5トラブル時の責任所在などのルール整備22.5%17.1%
6著作権・プライバシー保護など法的規制18.8%18.6%
7システム導入への資金不足13.3%16.2%
8懸念や課題はない3.8%7.1%

上位4つは、合っているか分からない、どの業務に使えばよいか分からない、分かる人がいない、情報が外に出ないか心配、です。「システム導入への資金不足」は13.3%で7番目でした。お金より先に、使い道と確かめ方のところで止まっている企業が多い、という並びです。

使う業務の範囲と、確かめる手順はどう決めるか

ここからはレポートの外の話で、当サイトの考えです。懸念の1位は「正確かどうか」、2位は「どの業務に使うか」でした。この2つは、道具を選ぶ前に、会社の側で決めておけることです。順番は次の4つです。

  • 任せる仕事を先に決める=1週間の仕事を書き出し、毎回同じ型で繰り返している事務(返信の下書き、議事録のまとめ、見積の文面、日報の整理など)から1つ選ぶ。「何かに使えないか」から始めない
  • 渡してよい情報の線を引く=お客様の個人情報、契約前の金額、健康や家族に関することなど、入れないものを先に紙に書く。迷ったら入れない、を決まりにする
  • 人が確かめる場所を決める=数字、日付、固有名詞、相手に送る前の文面は、必ず人が元の資料と見くらべる。確かめる人と、確かめるタイミングを手順に書く
  • 手順を会社の文章にして残す=うまくいった頼み方と確かめ方を、個人のメモではなく会社の手順として残す。次の人が同じ品質で使えるようにする

たとえば議事録のまとめなら、録音の文字起こしを渡して要点と宿題の一覧を作らせ、担当の方が日付と金額と人の名前だけを元の録音と見くらべてから配ります。下書きを一から作る時間が、経営者と担当の方に戻ります。確かめる場所を「日付・金額・人の名前」と決めておくと、どこを見ればよいかで迷いません。

3つめと4つめは、調査の2つの数字ともつながります。出力の誤りによるトラブルは、送る前に人が確かめる場所を決めておくことで起きにくくできます。使える人と使えない人の差は、頼み方を会社の手順にしておくことで、個人の差に溜まりにくくなります。どちらも、起きないと言い切れるものではありません。

県の取り組みについては広島県庁の業務改善とAIの試みに、相談先の選び方は広島でAI導入の相談はどこへにまとめています。

この記事を読むときの注意

  • 対象=中国地方に本社を置く企業1,715社に尋ね、661社が答えた意識調査です(回答率38.5%)。調査期間は2026年3月17日から3月31日。広島県の回答は236社です。答えた企業の数字で、県内のすべての企業の実態ではありません
  • 広島県の数字がある範囲=広島県だけの数字がレポートにあるのは、活用状況と効果の2つの表です。規模別、業種別、活用業務、悪影響・トラブル、懸念・課題は、中国地方の全体の数字です
  • 「活用している」の中身=「非常に活用している」と「やや活用している」の合計です。どの程度をもって活用しているとするかは、答えた企業の判断です。会社として使っているのか、一部の人が使っているのかの区別はありません
  • 「効果あり」の中身=活用していると答えた企業の自己評価です。何がどれだけ変わったかを測った数字ではありません。当社の支援の成果を示すものでもありません
  • 規模の区分=大企業・中小企業・小規模企業の分け方は、レポートに説明がありません。小規模企業は中小企業の内数です
  • 回答社数が少ない区分=業種別は回答20社以上の7業種だけを載せました(農・林・水産10社、金融9社、その他2社は省いています)。広島県の効果の表は82社の答えなので、1社で約1.2ポイント動きます(当サイトの計算です)
  • 表の作り方=活用業務の「その他」(1.7%)、懸念・課題の「その他」(1.5%)は省きました。効果の表の「分からない・不回答」は、レポートの「分からない」と「不回答」の社数を当サイトで足したものです。県別・規模別・業種別の表は、列を絞って載せています
  • 当サイトの計算=広島県と全国の差0.2ポイント、広島県の「あまり」「ほとんど」の合計40.7%(96社)、小規模企業と大企業の差13.2ポイント、上位3業務の合計80.1%、「1社で4〜5ポイント」「1社で約1.2ポイント」は、レポートの数字から当サイトが計算したものです
  • この記事が扱わないこと=特定の製品やサービスの良し悪し、著作権や個人情報に関する法令の解釈、情報漏洩が起きたときの対処は扱っていません
  • 転載について=レポートは転載を禁じているため、表は複製せず、数値を引用して記事用に作り直しています。レポートの「企業からの声」は使っていません

出典

※本記事は2026年10月12日時点の公表情報にもとづいています。

この記事に出てきた仕事、AIに任せると

いちばん使われていたのは、文章を書く、要約する、調べる、の3つでした。どの仕事を渡し、どこを人が確かめるかを先に決めておけば、同じ3つを会社の手順として任せられます。

任せられる仕事の一覧は支援内容にまとめています。

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