コラム
広島県のメインバンクは広島銀行が37.00%、上位3つで66.05%|信用金庫・信用組合は4社に1社超、メガバンク3行は合わせて約2%(帝国データバンク広島支店の2025年調査)と、金融機関に出す資料づくりの事務の考え方
帝国データバンク広島支店の「広島県・『メインバンク』動向調査(2025年)」(2026年1月15日発表)によると、広島県の企業3万8172社がメインバンクと認識している金融機関は、1位が広島銀行で37.00%(1万4124社)でした。2位はもみじ銀行の15.88%(6062社)、3位は広島信用金庫の13.16%(5025社)で、上位3つの合計は66.05%です。県内の企業のおよそ3社に2社が、この3つのどれかをメインバンクにしています。
メインバンクは、会社が複数の金融機関と取引しているなかで、いちばん主な取引先だと考えている金融機関のことです。この記事では、県内の順位と前の年からの動き、業種別・売上規模別の違いを読んだうえで、10人未満の会社が金融機関に出す資料づくりの事務を整理します。金融機関の良し悪しや、どこから借りるとよいかは扱いません。
金融機関に出す試算表や売上の一覧を、会計や請求の記録からAIにまとめさせる選択肢を記事の最後にまとめています →
メインバンクとは何か、この調査ではどう数えているか
この調査のメインバンクは、企業自身が「いちばん上位の取引先」と認識している金融機関です。アンケートではなく、帝国データバンクが持つ企業概要データベース(2025年10月末時点)に登録された内容を集計しています。
メインと考える金融機関が複数ある会社は、最上位の1つだけを数えています。対象は全業種・全法人で、個人事業主を含みます。今回が16回目の調査で、前の年の対象は3万8403社でした。レポートは、データベースの集計であるため、各金融機関が実際にメインとして取引している数とは異なる場合がある、と注記しています。
広島県のメインバンクはどこが多いか
広島銀行が37.00%で1位です。上位10の顔ぶれは、県内に本店を置く金融機関が8つ、県外の地方銀行が2つでした。
| 順位(前年) | 金融機関(本店) | 社数 | シェア | 前年との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1位(1位) | 広島銀行(広島市) | 1万4124社 | 37.00% | -0.35 |
| 2位(2位) | もみじ銀行(広島市) | 6062社 | 15.88% | -0.36 |
| 3位(3位) | 広島信用金庫(広島市) | 5025社 | 13.16% | +0.09 |
| 4位(4位) | 中国銀行(岡山市) | 2482社 | 6.50% | -0.02 |
| 5位(5位) | 呉信用金庫(呉市) | 1663社 | 4.36% | +0.01 |
| 6位(7位) | 広島市信用組合(広島市) | 1357社 | 3.55% | +0.11 |
| 7位(6位) | しまなみ信用金庫(三原市) | 1318社 | 3.45% | 0.00 |
| 8位(8位) | 広島県信用組合(広島市) | 683社 | 1.79% | +0.01 |
| 9位(9位) | 山口銀行(下関市) | 445社 | 1.17% | -0.01 |
| 10位(10位) | 両備信用組合(府中市) | 373社 | 0.98% | +0.03 |
上位10に入った信用金庫と信用組合は6つあります。社数を足すと1万419社で、対象の27.3%にあたります(当サイトの足し算と割り算です)。県内の企業の4社に1社あまりが、信用金庫か信用組合をメインバンクにしている計算です。竹原市の隣の三原市に本店を置くしまなみ信用金庫は7位、呉信用金庫は5位でした。
メガバンクは、三菱UFJ銀行が14位(0.71%・270社)、三井住友銀行が15位(0.69%・262社)、みずほ銀行が16位(0.57%・218社)で、いずれも1%未満です。3行を足しても750社、約2.0%でした(当サイトの計算です)。県外の地方銀行では、中国銀行のほか、山口銀行が9位、伊予銀行(松山市)が12位に入っています。
前の年から順位は変わったのか
1位から5位は変わっていません。動いたのは6位と7位で、広島市信用組合がしまなみ信用金庫と入れ替わって6位に上がりました。
上位20のうち、シェアを伸ばしたのは8つの金融機関です。伸びがいちばん大きかったのは広島市信用組合の0.11ポイントで、広島信用金庫の0.09ポイント、両備信用組合の0.03ポイントが続きます。伸ばした8つのうち6つは信用金庫・信用組合・農協でした(表から当サイトが数えたものです)。
1位の広島銀行は0.35ポイント、2位のもみじ銀行は0.36ポイント下がりました。社数では広島銀行が1万4345社から1万4124社へ221社、もみじ銀行が6238社から6062社へ176社少なくなっています(差は当サイトの引き算です)。ただし、調査の対象そのものが3万8403社から3万8172社へ231社少なくなっているため、社数の減り方だけで取引先が離れたとは言えません。
業種によって、メインバンクの顔ぶれは違うのか
1位から3位はほぼ同じで、4位以下に業種の色が出ます。広島銀行は主要7業種すべてで3割を超えて1位でした。
| 業種(社数) | 1位 広島銀行 | 2位 もみじ銀行 | 広島信用金庫 | 目についた点 |
|---|---|---|---|---|
| 建設(9919社) | 36.46% | 18.24% | 16.73%(3位) | もみじ銀行と広島信用金庫のシェアが7業種でいちばん高い |
| 製造(4336社) | 34.96% | 14.92% | 10.93%(4位) | 中国銀行が13.28%で3位 |
| 卸売(3686社) | 35.87% | 16.25% | 13.32%(3位) | 中国銀行が9.25%、伊予銀行が10位 |
| 小売(4967社) | 33.50% | 16.11% | 13.81%(3位) | しまなみ信用金庫が6.22%で5位 |
| 運輸・通信(1394社) | 32.21% | 16.79% | 12.55%(3位) | 広島市信用組合が5.38%で6位 |
| サービス(9915社) | 42.06% | 14.66% | 11.13%(3位) | 広島銀行のシェアが7業種でいちばん高い |
| 不動産(2899社) | 35.60% | 14.56% | 12.90%(3位) | 広島市信用組合が7.90%で4位 |
製造では、岡山市に本店を置く中国銀行が広島信用金庫を上回って3位です。不動産では、広島市信用組合が中国銀行や呉信用金庫より上の4位に入りました。小売では、しまなみ信用金庫が呉信用金庫より上の5位です。県全体の順位は同じでも、業種ごとに見ると、身近な金融機関の顔ぶれは少しずつ違います。
会社の売上規模によって、どう違うのか
売上が10億円を超えると顔ぶれが変わります。10億円未満の4つの区分は上位4つが同じ並びですが、50億円以上ではメガバンク3行が4位から6位に入りました。
| 売上規模(社数) | 広島銀行 | もみじ銀行 | 広島信用金庫 | しまなみ信用金庫 |
|---|---|---|---|---|
| 5000万円未満(1万5369社) | 37.25% | 15.62% | 12.52% | 3.89%(6位) |
| 5000万円〜1億円未満(6795社) | 37.03% | 15.94% | 14.53% | 3.74%(6位) |
| 1億円〜5億円未満(1万875社) | 35.01% | 16.56% | 14.90% | 3.61%(7位) |
| 5億円〜10億円未満(2193社) | 37.21% | 16.92% | 12.31% | 2.10%(8位) |
| 10億円〜50億円未満(2130社) | 42.54% | 15.54% | 8.78% | 上位10の外 |
| 50億円以上(624社) | 46.96% | 9.13% | 3.21%(7位) | 上位10の外 |
売上の登録がある3万7986社のうち、1億円未満の会社は2万2164社で58.3%を占めます(当サイトの足し算と割り算です)。この層でも広島銀行は37%台で、会社が小さいから地方銀行が遠い、という形にはなっていません。
広島信用金庫は1億円〜5億円未満で14.90%といちばん高く、10億円を超えると8.78%、50億円以上では3.21%に下がります。しまなみ信用金庫は5000万円未満で3.89%、5億円〜10億円未満で2.10%と、売上が小さい区分ほど高くなっています。反対に50億円以上の624社では、三井住友銀行が4位(7.21%・45社)、みずほ銀行が5位(4.97%・31社)、三菱UFJ銀行が6位(4.49%・28社)でした。
金融機関に出す資料づくりで、会社の中に残せるものは何か
ここからはレポートの外の話で、当サイトの考えです。10人未満の会社では、金融機関とのやり取りは経営者ひとりが受け持っていることが多く、「前回、何の資料を、どの形で出したか」は経営者の記憶とメールの中にしかない、ということが珍しくありません。担当の方が替わるたび、決算のたびに、同じ資料を一から作り直すことになります。
どの金融機関と付き合うかとは別に、次の3つは会社の中にそろえておけます。
- 月ごとの売上と入金の一覧=請求書と通帳の記録から、得意先ごと・月ごとに並べたもの
- 求められた資料の控え=いつ、どの金融機関から、何を求められ、どのファイルを出したかの一覧
- 毎月の締めの手順=試算表ができるまでに、だれが、何を、どの順番で集めるかを書いたもの
1つ目の一覧づくりは、手でやると月末の半日が消えます。請求の記録や会計ソフトから書き出したデータをAIに渡し、月ごと・得意先ごとの表のたたき台にさせる。担当者が元の記録と突き合わせて直す。この進め方なら、拾い出して並べる作業の大半をAIに渡せて、その時間が経営者に戻ります。2つ目と3つ目は、一度書いて共有の場所に置いておけば、次からは追記だけで済みます。
なお、資料をそろえれば融資が通る、という話ではありません。何をいつ出すか、数字をどう説明するか、借り入れをどうするかは、取引先の金融機関や顧問の税理士と決めることです。当サイトが扱うのは、判断の材料になる数字を日々の記録から拾ってまとめるところまでです。県内の会社の体力に関する統計は広島県の倒産リスクと広島県の休廃業・解散にまとめています。
この記事を読むときの注意
- 対象=帝国データバンクの企業概要データベース(2025年10月末時点)に収録された広島県の企業3万8172社です。全業種・全法人で、個人事業主を含みます。県内のすべての事業者を数えたものではありません
- 数え方=企業がメインバンクと認識している金融機関の集計です。レポートの注記によると、各金融機関が実際にメインとして取引している数とは異なる場合があります。メインが複数ある会社は、最上位と認識している1つだけを数えています
- シェア=小数点第3位を四捨五入した値で、前年との差はその引き算です(レポートの注記)
- 業種別=主要7業種のほかに「その他」が1056社あります。表には各業種の上位3つと、目についた点だけを載せています
- 売上規模別=売上高の登録がない企業を除いた集計です。表には4つの金融機関だけを載せています
- 当サイトの計算=信用金庫・信用組合6つの合計1万419社(27.3%)と「4社に1社あまり」、メガバンク3行の合計750社(約2.0%)、広島銀行の221社・もみじ銀行の176社・対象全体の231社の差、シェアを伸ばした8つの内訳、売上1億円未満の2万2164社(58.3%)は、レポートの表の数字から当サイトが計算したものです
- この記事が扱わないこと=金融機関の良し悪し、どこをメインバンクにするとよいか、融資や資金調達の進め方は扱っていません
- 転載について=レポートは転載を禁じているため、表は複製せず、数値を引用して記事用に作り直しています
出典
※本記事は2026年10月8日時点の公表情報にもとづいています。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
県内の企業の3社に2社は、上位3つの金融機関のどれかをメインバンクにしています。どこと付き合っていても、月ごとの売上を記録から集め、出した資料の控えを一覧にまとめ、毎月同じ表を見て確かめる仕事は変わりません。この3つは、会社の中だけで始められます。
任せられる仕事の一覧は支援内容にまとめています。
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