コラム
広島県で働く外国人は51,821人で過去最多|増えた事業所の68%は「30人未満」
広島県内で働く外国人は51,821人です。前年より3,470人(7.2%)増えて、届出が義務化された平成19年以降で過去最多になりました。広島労働局が令和8年1月30日に公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」の数字です。
ただ、この記事で読みたいのは人数ではありません。受け入れている職場の側です。外国人を雇う事業所は7,121か所あり、そのうち62.4%が「30人未満」の職場でした。1事業所あたりにすると4.5人です。
数人を受け入れる職場でふえる説明と記録の仕事を、AIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
広島県で働く外国人は何人か
51,821人です。令和7年10月末時点の届出を集計した数で、前年の48,351人から3,470人ふえました。5年前(令和3年)の36,547人と比べると41.8%の増加です。
| 10月末時点 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 外国人労働者数 | 36,547人 | 38,698人 | 44,093人 | 48,351人 | 51,821人 |
| 対前年増加率 | ▲3.1% | +5.9% | +13.9% | +9.7% | +7.2% |
| 外国人を雇う事業所数 | 5,796所 | 6,005所 | 6,328所 | 6,660所 | 7,121所 |
伸び率は令和5年の13.9%を頂点に、9.7%、7.2%と2年続けて下がっています。人数は過去最多ですが、ふえ方はゆるやかになっている、というのが正確な読み方です。
内訳は男性29,385人、女性22,436人で、女性が43.3%を占めます。
受け入れているのは大きな会社か、小さな職場か
数でいえば小さな職場です。事業所の規模別に並べると次のようになります。
| 事業所規模 | 事業所数 | 構成比 | 外国人労働者数 | 構成比 | 1所あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 30人未満 | 4,442所 | 62.4% | 19,885人 | 38.4% | 4.5人 |
| 30〜99人 | 1,273所 | 17.9% | 9,432人 | 18.2% | 7.4人 |
| 100〜499人 | 788所 | 11.1% | 12,001人 | 23.2% | 15.2人 |
| 500人以上 | 183所 | 2.6% | 9,107人 | 17.6% | 49.8人 |
| 不明 | 435所 | 6.1% | 1,396人 | 2.7% | 3.2人 |
500人以上の事業所は183か所しかありませんが、1か所で49.8人を受け入れています。対して30人未満の事業所は4,442か所あって、1か所あたりは4.5人です。「まとまった人数をまとめて」ではなく、「数人ずつを、たくさんの職場で」という形になっています。
さらに5年分を並べると、ふえているのがどの規模かがはっきりします。
| 事業所数 | 令和3年 | 令和7年 | 増減 | 令和7年の対前年 |
|---|---|---|---|---|
| 事業所総数 | 5,796所 | 7,121所 | +1,325所 | +6.9% |
| 30人未満 | 3,537所 | 4,442所 | +905所 | +7.2% |
| 30〜99人 | 1,104所 | 1,273所 | +169所 | +5.2% |
| 100〜499人 | 662所 | 788所 | +126所 | +6.6% |
| 500人以上 | 165所 | 183所 | +18所 | ▲0.5% |
この5年で事業所は1,325か所ふえましたが、そのうち905か所(68.3%)が30人未満です。令和7年に前年より減ったのは500人以上の規模だけで、増加率がいちばん大きかったのも30人未満の+7.2%でした。
ふえているのはどの業種か
働いている人数でいえば製造業が突出しています。22,471人で全体の43.4%、事業所も1,885か所で26.5%です。ただし事業所数の伸びを見ると、順番が入れ替わります。
| 業種 | 事業所数(令和7年) | 前年比 | 外国人労働者数 | 1所あたり |
|---|---|---|---|---|
| 建設業 | 1,215所 | +13.6% | 4,892人 | 4.0人 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 744所 | +11.9% | 3,185人 | 4.3人 |
| 医療、福祉 | 535所 | +11.5% | 3,208人 | 6.0人 |
| 卸売業、小売業 | 1,099所 | +7.5% | 6,943人 | 6.3人 |
| 製造業 | 1,885所 | +3.7% | 22,471人 | 11.9人 |
製造業は1か所あたり11.9人を受け入れていて、人数の面では主役のままです。いっぽうで職場の数がふえているのは建設業・宿泊業や飲食店・医療や福祉で、いずれも1か所あたり4〜6人にとどまります。
この3業種は、事務の専任者を置いていない職場が多い分野でもあります。受け入れの窓口も、説明する人も、記録を残す人も、現場を回している人と同じであることが珍しくありません。
竹原市の数字はどこに入っているか
広島西条公共職業安定所の集計に入っています。ハローワーク竹原は広島西条公共職業安定所の竹原出張所(管轄は竹原市・豊田郡)で、この統計は出張所を本所に含めて集計しているためです。竹原市だけを取り出した数値は公表されていません。
| 安定所 | 事業所数 | 外国人労働者数 | 1所あたり | 製造業の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 広島西条(竹原を含む) | 635所 | 6,265人 | 9.9人 | 48.9% |
| 呉 | 538所 | 4,287人 | 8.0人 | 51.0% |
| 三原 | 259所 | 1,916人 | 7.4人 | — |
| 広島 | 1,761所 | 10,633人 | 6.0人 | 18.8% |
| 福山 | 1,497所 | 9,090人 | 6.1人 | 45.3% |
| 県計 | 7,121所 | 51,821人 | 7.3人 | 43.4% |
広島西条管内は1事業所あたり9.9人で、県計の7.3人より多くなっています。製造業が48.9%を占め、教育・学習支援業も13.3%と県計の2.9%より高い地域です。東広島市の大学と工場の分がまとまって効いている形で、この平均をそのまま竹原の実感に置き換えることはできません。
出身の国は1つに寄っているか
寄っていません。上位3か国を足しても61.8%で、残りの4割近くはそれ以外の国です。
| 国籍 | 人数 | 構成比 | 対前年 |
|---|---|---|---|
| ベトナム | 15,468人 | 29.8% | ▲0.8% |
| フィリピン | 9,052人 | 17.5% | +8.3% |
| インドネシア | 7,515人 | 14.5% | +30.9% |
| 中国(香港・マカオを含む) | 6,228人 | 12.0% | — |
| ネパール | 2,869人 | 5.5% | — |
| ミャンマー | 2,779人 | 5.4% | +61.9% |
最多のベトナムは前年より132人減っています。代わりにふえているのがミャンマー(+61.9%)、スリランカ(+46.6%)、インドネシア(+30.9%)です。いちばん多い国が減り、これまで少なかった国がふえているという入れ替わりが起きています。
在留資格でも同じ向きの動きがあります。最多は技能実習の19,369人(37.4%)ですが、伸びているのは専門的・技術的分野の在留資格で、15,240人と前年比22.1%増でした。そのうち特定技能は9,273人(前年比30.3%増)です。
受け入れる側から見ると、「いつもの1か国、いつもの1制度」で説明を用意しておけばよい状態ではなくなってきているということになります。
数人を受け入れる職場で、ふえるのはどんな仕事か
採用そのものより、そのあとに毎日発生する説明と記録です。1か所あたり4.5人という規模では、受け入れ担当を専任で置くことができません。現場を回している人が、そのまま次のような仕事を抱えることになります。
- 作業手順・安全のきまり・道具の使い方を、その都度くちで説明しなおす
- 連絡事項の掲示やお知らせを、読める言葉で書き直す
- シフトや持ち物の連絡を、伝わったか一人ずつ確かめる
- 教えた内容と、いつ誰に教えたかを記録に残す
- 次の人が入ったときに、また同じ説明を最初からやる
このうち毎回だいたい同じ形で終わっているものは、AIに下書きを作らせて、経営者や現場の責任者が最後に確認する形へ変えられます。弊社がこれまでに支援した7社(眼鏡店・歯科・内科・スクール・住宅リフォーム)のなかで実測できているのは、メール返信が1時間から15分になった例です。1日1時間かかっていた作業が15分になると、1日あたり45分が戻ります。
あわせて、口で伝えていた手順を文書の形にしておくと、人が入れ替わっても説明のやり直しが軽くなります。手順書は同じ説明をくり返さないための道具でもあります。
いっぽうで、在留資格の該当性・雇用時の届出・受け入れ体制の要件といった判断は、AIに任せる話ではありません。制度の判断は所管の窓口や、行政書士など専門の方へご確認ください。この記事で扱っているのは、判断のあとに毎日発生する事務のほうです。
自社の数字を入れてみる
任せ方を変える価値があるかどうかは、時間の量で決まります。
| 項目 | 入れる数字 |
|---|---|
| a:1週間のうち、説明・連絡・記録に使っている時間 | 分 |
| b:それを行っている人数(現場の責任者を含む) | 人 |
| c:ひと月にこの作業へ使っている時間(a×b×4÷60) | 時間 |
| d:そのうち、毎回だいたい同じ形で終わっている割合 | % |
| e:任せ方を変えられる時間(c×d) | 時間 |
eが1桁なら、いまのやり方で足りています。2桁になるなら、次の人が入る前に整えておく価値があります。
まとめ
- 広島県内で働く外国人は51,821人(令和7年10月末時点)で過去最多。前年比+7.2%だが、伸び率は13.9%→9.7%→7.2%と2年続けて低下
- 外国人を雇う事業所は7,121か所。うち62.4%が「30人未満」の職場で、1か所あたりは4.5人
- この5年で事業所は1,325か所ふえ、そのうち905か所(68.3%)が30人未満。令和7年に前年より減ったのは500人以上の規模だけ
- 人数の主役は製造業(22,471人・43.4%・1所あたり11.9人)。ただし事業所数の伸びは建設業+13.6%、宿泊業や飲食+11.9%、医療・福祉+11.5%で、いずれも1所あたり4〜6人
- 竹原市の数値は広島西条公共職業安定所(竹原出張所を含む)に入る。同管内は1所あたり9.9人で県計7.3人より多い
- 国籍は上位3か国で61.8%と分散。最多のベトナムは前年比▲0.8%で、ミャンマー+61.9%・スリランカ+46.6%・インドネシア+30.9%がふえている
- 在留資格は技能実習19,369人が最多だが、伸びは専門的・技術的分野(+22.1%)と特定技能(+30.3%)
- 数人を受け入れる職場でふえるのは、説明・連絡・記録という日々の事務。制度の判断は専門家へ、事務は任せ方を変える、と分けて考えられる
出典
- 広島労働局「【広島労働局】『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(令和8年1月30日公表・掲載ページ)
- 同 本体資料(PDF)(概要版・本文・別表1〜8・参考表)
- 広島労働局「ハローワーク竹原(広島西条公共職業安定所竹原出張所)」(管轄区域の確認)
- 広島労働局 報道発表資料(公表資料の一覧)
※本記事は2026年9月2日時点の公表情報にもとづいています。数値はすべて令和7年10月末時点で事業主から提出のあった届出を集計したもので、特別永住者および在留資格「外交」「公用」の方は対象外です。人数・事業所数・構成比・対前年増加率は公表値です。1事業所あたりの人数(規模別・業種別・安定所別)、5年間の増減、上位3か国の合計構成比、女性の構成比は、公表値をもとに弊社で計算した参考値です。安定所別の集計は本所計で、出張所は本所に含まれます。構成比は小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
人数がふえたことより、受け入れる職場が小さくなっていることのほうが、日々の手間に直結します。1か所あたり4〜5人という規模では、説明も連絡も記録も、現場を回している人がそのまま抱えます。この記事の内容と地続きなのは次の仕事です。
任せられる仕事の全体は支援内容の一覧に、任せたときにひと月で戻る時間の試算(約28時間)はトップページにまとめています。
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