コラム
竹原市の観光客は8月が最多で1月の2.1倍|月別データで見る繁忙期の山と谷
令和7年(2025年)に竹原市を訪れた観光客がいちばん多かった月は8月の130千人(13万人)でした。いちばん少なかった1月の62千人に対して2.1倍です。一般社団法人広島県観光連盟(HIT)が公表した「令和7〔2025〕年 広島県観光客数の動向」の第5表(月別観光客数)にある数字です。
しかも山と谷は隣り合っています。8月の130千人は、翌9月には66千人へ落ちます。ひと月で49.2%、ほぼ半分です。年の総数(107万人)だけを見ていると、この形は見えません。
山が来る前に、問い合わせと予約の対応を事務としてAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
竹原市の観光客がいちばん多いのは何月か
8月です。令和7年の12か月は次のとおりでした(単位:千人)。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 竹原市 | 62 | 87 | 98 | 118 | 92 | 70 |
| 月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 竹原市 | 80 | 130 | 66 | 108 | 90 | 70 |
山は3つあります。8月の130千人、4月の118千人、10月の108千人です。この3か月で356千人となり、年間107万人の33.3%を占めます。1年の3分の1が、3か月に入っている形です。
逆に少ないのは1月の62千人、9月の66千人、6月と12月の70千人です。月平均は約89千人ですので、8月は平均の1.46倍、1月は平均の0.69倍にあたります。
山と谷の落差はどれくらいあるか
最多の8月と最少の1月で2.10倍、人数にして68千人の差です。ただし経営の現場で効くのは年間の最大と最小より、隣り合う月の落差のほうです。
| 区間 | 前月 | 当月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 3月→4月 | 98千人 | 118千人 | +20.4% |
| 7月→8月 | 80千人 | 130千人 | +62.5% |
| 8月→9月 | 130千人 | 66千人 | ▲49.2% |
| 9月→10月 | 66千人 | 108千人 | +63.6% |
7月から8月へ6割ふえ、9月に半分へ戻り、10月にまた6割ふえます。3か月のあいだに、仕事の量が倍・半分・倍と動くことになります。人を採って合わせるには短すぎ、放っておくには大きすぎる振れ幅です。
広島県全体と比べて、竹原の振れ方は大きいのか
県全体より大きく、近隣の市よりは小さい、というのが正確なところです。
| 市町・県計 | 最多の月 | 最少の月 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 広島県計 | 8月 7,261千人 | 6月 4,251千人 | 1.71倍 |
| 竹原市 | 8月 130千人 | 1月 62千人 | 2.10倍 |
| 尾道市 | 8月 829千人 | 6月 363千人 | 2.28倍 |
| 東広島市 | 10月 532千人 | 2月 201千人 | 2.65倍 |
| 三原市 | 2月 668千人 | 12月 235千人 | 2.84倍 |
| 呉市 | 4月 405千人 | 12月 125千人 | 3.24倍 |
ここで目に留まるのは倍率よりも、山が来る月が市ごとにばらばらだという点です。竹原市と尾道市は8月、東広島市は10月、三原市は2月、呉市は4月。県計が8月に山を作るのは広島市・廿日市市など人数の大きい市の形が乗るためで、県の平均をそのまま自分の店の予測に使うと外れます。
複数の市にまたがって商売をしている場合は、山が年に何度も来ることになります。竹原と三原の両方でお客様を受けているなら、2月と8月の2回です。
泊まりのお客様も同じ動きをするか
同じ向きに動きますが、落ち方は緩やかです。第8表(月別宿泊客数)で竹原市を見ると、令和7年の宿泊は年間143,006人泊、最多は8月の16,784人泊、最少は6月の8,771人泊で1.91倍でした。
| 竹原市 | 8月 | 9月 | 8月→9月 |
|---|---|---|---|
| 観光客数(日帰り含む) | 130千人 | 66千人 | ▲49.2% |
| 宿泊客数 | 16,784人泊 | 11,303人泊 | ▲32.7% |
9月に半減しているのは主に日帰りの側で、泊まりのお客様は3割減にとどまっています。人数が半分になっても、宿の仕事は半分にならないという読み方ができます。
宿泊のうち外国人は年間8,790人泊で、竹原市の宿泊全体の6.1%です。近隣と並べると次のようになります。
| 宿泊客数(令和7年) | 年間 | うち外国人 | 構成比 | 最多/最少の倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 竹原市 | 143,006人泊 | 8,790人泊 | 6.1% | 1.91倍 |
| 三原市 | 344,502人泊 | 25,970人泊 | 7.5% | 1.51倍 |
| 東広島市 | 574,385人泊 | 29,947人泊 | 5.2% | 1.29倍 |
| 呉市 | 406,300人泊 | 51,000人泊 | 12.6% | 1.93倍 |
| 広島県計 | 11,853,279人泊 | 1,881,309人泊 | 15.9% | 1.59倍 |
東広島市の1.29倍が目を引きます。同じ県内でも、通年で人が動く街と、季節で動く街では形が違います。竹原市は季節で動く側です。
振れているのは島か、町のほうか
町のほうです。竹原市の数字には大久野島が内数として入っていますが、その大久野島は月ごとの差が小さいためです。
| 令和7年 | 8月 | 1月 | 年間 | 最多/最少 |
|---|---|---|---|---|
| 竹原市 全体 | 130千人 | 62千人 | 1,070千人 | 2.10倍 |
| うち大久野島 | 22千人 | 13千人 | 204千人 | 1.92倍(差11千人) |
| 差引(島以外) | 108千人 | 49千人 | 866千人 | 2.20倍(差59千人) |
8月に130千人が来ても、大久野島はそのうち22千人(16.9%)です。月の振れをつくっているのは、町並み保存地区を含む島以外の側ということになります。市街地で飲食・物販・宿・体験を営んでいる事業者ほど、この2.20倍を受けている計算です。
忙しくなる前に、事務側でできることは何か
ここからは統計ではなく、上の数字から読み取れることの整理です。
山が来てから手を打つのは、いちばん難しいやり方です。8月に130千人が来ている最中に新しい仕組みを入れる余裕はありません。整えるなら谷の月、竹原市でいえば1月・6月・9月・12月です。
| 時期 | 竹原市の状況 | 事務側でやること |
|---|---|---|
| 1月・2月 | 62〜87千人(最も静か) | 問い合わせ返信の型をつくる。前年の繁忙期に来た質問を洗い出す |
| 3月〜5月 | 92〜118千人(春の山) | 春の山で型を試し、返信に足りない項目を足す |
| 6月・7月 | 70〜80千人(夏前の谷) | 夏に向けて案内文・注意書きを用意。外国語の文面もここで |
| 8月 | 130千人(最大の山) | 新しいことはしない。用意した型を回すだけにする |
| 9月 | 66千人(半減) | 8月に困ったことを記録に残す。次の10月の山に備える |
判断が要る仕事は人が持ち続けます。値段の決め方、おすすめの伝え方、お客様への謝り方はその代表です。いっぽうで毎回だいたい同じ形で終わる作業は、任せ方を変えられる側にあります。
- 問い合わせの返信(朝、下書きが揃っている状態に)
- 予約の確認メールと前日案内(日付と人数だけ差し替える形に)
- 外国語の案内文(型を決めておき、必要なところだけ直す形に)
- 夜間・休日の一次対応(公式LINEでの自動応答)
- 繁忙期の記録(話すだけで貯まる形に。翌年の準備がここから始まる)
弊社がこれまでに支援した7社(眼鏡店・歯科・内科・スクール・住宅リフォーム)のなかで実測できているのは、メール返信が1時間から15分になった例です。1日1時間かかっていた作業が15分になると、1日あたり45分が戻ります。
ご自身の数字を入れてみてください。
| 項目 | 入れる数字 |
|---|---|
| a:8月の1日あたり、問い合わせ・予約対応にかけている時間 | 分 |
| b:8月の営業日数 | 日 |
| c:8月にこの作業へ使っている時間(a×b÷60) | 時間 |
| d:そのうち、毎回だいたい同じ形で終わっている割合 | % |
| e:任せ方を変えられる時間(c×d) | 時間 |
eが1桁なら、いまのやり方で足りています。2桁になるなら、谷の月にやっておく価値のある準備です。
まとめ
- 令和7年に竹原市を訪れた観光客が最も多かったのは8月の130千人。最少は1月の62千人で、差は2.10倍
- 山は8月130千人・4月118千人・10月108千人の3つ。この3か月で年間107万人の33.3%を占める
- 8月から9月へは▲49.2%。7月→8月は+62.5%、9月→10月は+63.6%で、3か月のあいだに倍・半分・倍と動く
- 広島県計の振れは1.71倍で、竹原市の2.10倍より小さい。ただし近隣は呉市3.24倍・三原市2.84倍・東広島市2.65倍・尾道市2.28倍と、竹原市より大きい
- 山が来る月は市ごとに違う(竹原・尾道8月/東広島10月/三原2月/呉4月)。県の平均を自分の店の予測に使うと外れる
- 宿泊は年間143,006人泊で最多8月・最少6月の1.91倍。8月→9月は▲32.7%にとどまり、日帰りほど落ちない
- 宿泊のうち外国人は6.1%。県計15.9%、呉市12.6%より低い
- 月の振れをつくっているのは大久野島(1.92倍・差11千人)ではなく島以外の側(2.20倍・差59千人)
- 整えるなら谷の月。竹原市では1月・6月・9月・12月にあたる
出典
- 一般社団法人広島県観光連盟(HIT)「広島県観光客数の動向」(統計表とPDFの掲載ページ)
- 同 第5表「月別観光客数(平成31年〜令和7年)」(Excel)(月別の実数、大久野島の内数)
- 同 第8表「月別宿泊客数(平成31年〜令和7年)」(Excel)(人泊、うち外国人の内数)
- 同「令和7〔2025〕年 広島県観光客数の動向」報告書(PDF)(調査の範囲と定義)
- 広島県「令和7[2025]年の広島県観光客数の動向について」(県の掲載ページ)
※本記事は2026年9月1日時点の公表情報にもとづいています。観光客数・宿泊客数は延べ人数で、各市町が推計した数値を広島県観光連盟が取りまとめたものです。月別の実数、年間計、大久野島の内数は公表値です。最多月と最少月の倍率、前月比の増減率、月平均との比、上位3か月の構成比、島以外の差引、外国人宿泊の構成比は、公表値をもとに弊社で計算した参考値です。統計表は単位未満の端数処理を行っているため、月別の合計と年間計はかならずしも一致しません(竹原市は月別の合計1,071千人に対し年間計1,070千人)。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
仕事の量が3か月で倍・半分・倍と動くなら、山の最中に整えるのは無理があります。静かな月のうちに、毎回だいたい同じ形で終わる作業だけ先に軽くしておく、という順番になります。この記事の内容と地続きなのは次の仕事です。
任せられる仕事の全体は支援内容の一覧に、任せたときにひと月で戻る時間の試算(約28時間)はトップページにまとめています。
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