コラム
竹原市の観光客数は107万人、前年比+10.6%で県内2位|消費額はコロナ前の1.7倍
令和7年(2025年)に竹原市を訪れた観光客は107万人でした。前年の96万7千人から10.6%ふえ、これは広島県23市町のなかで2番目に大きい伸び率です。一般社団法人広島県観光連盟(HIT)が令和8年7月に公表した「令和7〔2025〕年 広島県観光客数の動向」の数字です。
ただし、人数だけを見ると話の半分しか見えません。人の数はコロナ前をわずかに上回った程度なのに、観光消費額は6年で1.7倍、外国人観光客は3.3倍になっています。受け入れる側の手間は、人数の伸びより速く増えている形です。
問い合わせと予約の対応が増えたぶんを、事務としてAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
竹原市の観光客数は令和7年に何人だったか
総観光客数は1,070千人、つまり107万人です。前年(令和6年)は967千人でしたので、+103千人、率にして+10.6%になります。
| 総観光客数 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 竹原市 | 790千人 | 967千人 | 1,070千人 | +10.6% |
| 広島県計 | 60,365千人 | 64,772千人 | 65,586千人 | +1.3% |
県全体の伸びは+1.3%です。竹原市の+10.6%はその8倍にあたります。県内で県平均を上回ったのは10市町、下回った(減少を含む)のは13市町でした。
| 順位 | 市町 | 前年比 |
|---|---|---|
| 1位 | 大竹市 | +19.0% |
| 2位 | 竹原市 | +10.6% |
| 3位 | 福山市 | +9.3% |
| 4位 | 廿日市市 | +7.7% |
| 5位 | 三次市 | +6.3% |
近隣の市はそろって足踏みです。呉市は▲15.8%(270万人)、東広島市は▲1.4%(362万人)、三原市はほぼ横ばいの±0.0%(430万人)。伸びているのが竹原市だけ、という状況になっています。
竹原市が100万人台に乗ったのは、平成31(令和元)年の104万8千人以来6年ぶりです。令和2年に61万2千人まで落ち込み、そこから令和4年69万1千人、令和5年79万人、令和6年96万7千人と4年かけて戻ってきました。
コロナ前と比べると本当に戻ったのか
戻っています。ただし戻ったのは竹原市を含む一部で、県全体はまだ戻っていません。
| 総観光客数 | 平成31(令和元)年 | 令和7年 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 竹原市 | 1,048千人 | 1,070千人 | +2.1% |
| 広島県計 | 67,194千人 | 65,586千人 | ▲2.4% |
| 呉市 | 3,761千人 | 2,697千人 | ▲28.3% |
| 東広島市 | 2,814千人 | 3,616千人 | +28.5% |
広島県観光連盟の報告書では、平成31(令和元)年を上回った市町として坂町・東広島市・江田島市・廿日市市・安芸高田市・熊野町・安芸太田町・三原市・竹原市・世羅町の10市町が挙げられています。竹原市の+2.1%は、そのなかでは小さいほうの数字です。
人数としては「コロナ前に戻ったところ」というのが正確な読み方になります。ここまでなら、話は「もとに戻ってよかった」で終わります。次の数字がそうさせません。
人数より速く増えているものは何か
観光消費額です。竹原市の観光消費額は令和7年で5,555百万円。平成31(令和元)年の3,238百万円に対して+71.6%、およそ1.7倍になっています。
| 竹原市 | 平成31(令和元)年 | 令和6年 | 令和7年 | 令和元年比 |
|---|---|---|---|---|
| 総観光客数 | 1,048千人 | 967千人 | 1,070千人 | +2.1% |
| 観光消費額 | 3,238百万円 | 4,457百万円 | 5,555百万円 | +71.6% |
| 1人あたり観光消費額 | 3,090円 | 4,610円 | 5,194円 | +68.1% |
人数はほぼ同じで、動いているお金は1.7倍。1人が落としていく額が3,090円から5,194円へ上がったためです。前年比でも消費額は+24.6%で、人数の伸び(+10.6%)を大きく超えています。
市内で特に動いているのが大久野島です。同じ資料の内数として、大久野島の観光消費額は令和7年1,487百万円(平成31年717百万円の2.1倍)、1人あたりは7,304円(同2,484円の2.9倍)と記載されています。竹原市全体の1人あたり5,194円を大きく上回る水準です。
なお広島県計でも同じ方向の動きがあり、1人あたり観光消費額は平成31年6,562円から令和7年9,622円へ上がっています。竹原市の5,194円は県計の54.0%で、金額そのものは県平均より低い位置にあります。
外国からのお客様はどれだけ増えたか
竹原市の外国人観光客数は令和7年で32,607人です。平成31(令和元)年の9,931人に対して3.3倍、前年の21,113人に対しても+54.4%になります。
| 外国人観光客数 | 平成31(令和元)年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 竹原市 | 9,931人 | 21,113人 | 32,607人 |
| 広島県計 | 276.0万人 | 421.5万人 | 511.5万人 |
広島県全体の外国人観光客数511.5万人は過去最高で、報告書は継続的な円安と広島空港国際線の増便等を理由に挙げています。
竹原市に来ている国・地域の内訳は次のとおりです。
| 国・地域(令和7年) | 人数 |
|---|---|
| 韓国 | 9,834人 |
| アメリカ | 3,690人 |
| 香港 | 2,518人 |
| 台湾 | 2,442人 |
| 中国 | 2,204人 |
| その他・不明 | 6,044人 |
| 合計 | 32,607人 |
1か国に偏っていません。韓国が最も多いものの全体の30.2%で、アメリカ・香港・台湾・中国・イギリス・ドイツ・フランスと分散しています。受け入れる側から見ると、想定しておく言語が1つでは足りない形です。
受け入れる側の事務は何が増えるか
ここからは統計ではなく、上の数字から読み取れることの整理です。
| 数字の動き | 受け入れ側で増えるもの |
|---|---|
| 人数+10.6% | 予約と問い合わせの件数そのもの |
| 1人あたり消費額+68.1%(令和元年比) | 食事・体験・物販など、1組あたりの手配と請求の項目 |
| 外国人3.3倍(令和元年比) | 英語ほかでの問い合わせ返信、案内文、注意事項の表示 |
| 国・地域が分散 | 言語ごとに用意する文面の種類 |
いずれも人手が要る作業ですが、竹原市の事業所は1,193件のうち752件が従業者4人以下です。事務の担当を1人置くほどの量にはならず、経営者や現場の担当者が本業のあいまに抱える形になりやすい規模です。
そして広島県の事務職の有効求人倍率は0.40倍で、求職者のほうが多い職業です。ただし竹原市の就業者は13年で1,448人減っており、募集をかけて人を増やす前提そのものが細くなっています。
この数字は経営者にとって何を意味するか
3つに整理します。
| 読み取れること | 数字 | 実務での意味 |
|---|---|---|
| 竹原はいま伸びている側にいる | 前年比+10.6%=県内2位 | 近隣の呉市▲15.8%、東広島市▲1.4%と対照的。取りにいく余地がある局面 |
| 増えているのは人数より単価と手間 | 人数+2.1%に対し消費額+71.6%(令和元年比) | 1組ごとの手配・請求・記録の項目がふえる。件数だけ見ていると実際の負荷を読み違える |
| 言語の種類がふえている | 外国人3.3倍、韓国は全体の30.2%にとどまる | 文面を都度つくると時間が読めない。型を用意しておく仕事に変わる |
判断が要る仕事は人が持ち続けます。おすすめの伝え方、料金の決め方、お客様への謝り方はその代表です。いっぽうで毎回だいたい同じ形で終わる作業は、任せ方を変えられる側にあります。
弊社がこれまでに支援した7社(眼鏡店・歯科・内科・スクール・住宅リフォーム)のなかで実測できているのは、メール返信が1時間から15分になった例です。1日1時間かかっていた作業が15分になると、1日あたり45分が戻ります。
- 問い合わせの返信(朝、下書きが揃っている状態に)
- 英語ほかの案内文(型を決めておき、日付と内容だけ差し替える形に)
- 見積書・請求書(数字を入れるだけの形に)
- 夜間・休日の一次対応(公式LINEでの自動応答)
- 日報・記録(話すだけで貯まる形に)
まとめ
- 令和7年の竹原市の総観光客数は1,070千人(107万人)。前年比+10.6%で県内23市町のうち2番目の伸び率(1位は大竹市+19.0%)
- 広島県計は65,586千人で前年比+1.3%。県平均を上回ったのは10市町
- 近隣は呉市▲15.8%、東広島市▲1.4%、三原市±0.0%。竹原市が100万人台に乗ったのは令和元年以来6年ぶり
- 平成31(令和元)年比では竹原市+2.1%、広島県計は▲2.4%。人数としてはコロナ前に戻ったところ
- 観光消費額は3,238百万円から5,555百万円へ+71.6%。1人あたりは3,090円から5,194円へ+68.1%
- 外国人観光客数は9,931人から32,607人へ3.3倍。前年比でも+54.4%
- 国・地域は分散しており、最多の韓国でも全体の30.2%
- 人数の伸びより、1組あたりの手配・請求と、言語ごとの文面づくりの手間のほうが速くふえている
出典
- 一般社団法人広島県観光連盟(HIT)「広島県観光客数の動向」(統計表とPDFの掲載ページ。令和8年7月17日)
- 同「令和7〔2025〕年 広島県観光客数の動向」報告書(PDF)(市町別の順位・増減率、外国人観光客数の概況)
- 同 第1表「総観光客数の推移(平成元年〜令和7年)」(Excel)
- 同 第2-2表「観光消費額の推移」「1人当たり観光消費額の推移」(Excel)
- 広島県「令和7[2025]年の広島県観光客数の動向について」(県の掲載ページ。公表先の案内)
※本記事は2026年8月31日時点の公表情報にもとづいています。観光客数・宿泊客数は延べ人数で、各市町が推計した数値を広島県観光連盟が取りまとめたものです。観光客数と観光消費額の実額、市町別の順位と対前年増減率は公表値です。令和元年比の増減率、1人あたり消費額の倍率、外国人観光客の構成比、竹原市と広島県計の比較値は、公表値をもとに弊社で計算した参考値です。竹原市の事業所数と就業者数の記述は、別途公表されている竹原市統計書および広島県市町民経済計算にもとづきます。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
お客様の数が1割ふえ、1組あたりに用意するものがふえ、言語の種類までふえています。人手を増やして追いつく前提が細いなら、先に軽くできるのは毎回だいたい同じ形で終わる作業のほうです。この記事の内容と地続きなのは次の仕事です。
任せられる仕事の全体は支援内容の一覧に、任せたときにひと月で戻る時間の試算(約28時間)はトップページにまとめています。
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