コラム
広島市の個人経営1万2,411事業所|年商データとAIの使いどころ
広島市にある事業所5万19のうち、1万2,411事業所が個人経営です。割合にすると24.8%で、4件に1件になります。そこで働く人は1事業所あたり平均2.9人。国の経済センサスの数字です。
この記事では、その個人経営が1事業所あたりどれくらいの売上で回っているのかを業種別に並べ、そのうえでAIをどこに置くかを判断材料の形で整理します。金額の大小を評価したり、何か月で元が取れるといった話はしません。
雇う前にできること(事務をAIへ渡す選択肢)を記事の最後にまとめています →
広島市の事業所の4件に1件は個人経営
経営組織別に事業所数を並べると、次のようになります(公務を除く)。
| 経営組織 | 事業所数 | 割合 |
|---|---|---|
| 総数 | 50,019 | 100% |
| 個人 | 12,411 | 24.8% |
| 会社 | 33,222 | 66.4% |
| 会社以外の法人 | 4,179 | 8.4% |
| 法人でない団体 | 207 | 0.4% |
個人経営で働く人は3万5,564人です。このうち1万4,714人(41.4%)は経営者本人と無給の家族で、雇っている人だけを数えると2万850人になります。1事業所あたりにならすと2.9人という規模です。
業種別に見た、1事業所あたりの年商
経済センサスは売上(収入)金額も業種別に集計しています。調査期日は2021年6月1日、売上は2020年の1年間の実績です。売上金額を事業所数で割ると、1事業所あたりの年商が出ます。
| 業種(個人経営) | 事業所数 | 1事業所あたり年商 |
|---|---|---|
| 飲食店 | 3,010 | 約897万円 |
| 洗濯・理容・美容・浴場業 | 1,988 | 約589万円 |
| 医療業 | 1,494 | 約3,857万円 |
| 専門サービス業(法律・会計・設計など) | 852 | 約2,267万円 |
| その他の教育,学習支援業(学習塾など) | 704 | 約432万円 |
| その他の小売業 | 659 | 約1,210万円 |
| 製造業 | 315 | 約1,034万円 |
| 織物・衣服・身の回り品小売業 | 201 | 約1,242万円 |
| 自動車整備業 | 75 | 約1,420万円 |
いずれも平均なので、上下の幅は大きく出ます。また、個人経営の売上が公表されていない業種(建設業、運輸業、教育の一部など)もあります。上の表は、公表されている範囲での平均です。
「もう1人雇う」を考えるときの金額
広島県の最低賃金は、2026年10月10日までは1,085円、10月11日からは1,141円です(2026年8月17日の広島地方最低賃金審議会の答申を経て、広島労働局のページに効力発生日 令和8年10月11日として掲載・2026年9月12日確認)。
フルタイムで1人(1日8時間・月21日=月168時間)を最低賃金で雇うと、賃金だけで次の金額になります。
| 時間額 | 1か月 | 1年 |
|---|---|---|
| 10月10日まで 1,085円 | 182,280円 | 2,187,360円 |
| 10月11日から 1,141円 | 191,688円 | 2,300,256円 |
これは賃金だけの金額です。社会保険料の事業主負担、通勤手当、採用と教育にかかる時間は別に乗ります。
さきほどの年商と並べたとき、この金額が重いか軽いかは、原価と家賃の構成によって変わります。ここで決めつけることはしません。判断できるのは経営者ご自身です。答申の中身は広島県の最低賃金は2026年10月11日から1,141円へで整理しています。
平均2.9人の現場で、AIをどこに置くか
従業者が平均2.9人ということは、事務を経営者本人か家族が抱えている場合がほとんどです。人を増やす前に見るところがあるとすれば、そこになります。
時間の面では、広島県の令和3年社会生活基本調査で、自営業主の1日の仕事時間(週全体の平均)は6時間28分と、5年前より54分長くなっていました(雇用されている人は5時間42分で12分の減少)。数字の読み方は広島県の社会生活基本調査(令和3年)でまとめています。
弊社がこれまでに支援した7社(眼鏡店・歯科・内科・スクール・住宅リフォーム)のなかで実測できているのは、メール返信が1時間から15分になった例です。1日1時間かかっていた作業が15分になると、1日あたり45分が戻ります。
任せやすいのは、毎回だいたい同じ形で、判断より作業のほうが多い仕事です。
- メールの返信(朝、下書きが揃っている状態に)
- 見積書・請求書(数字を入れるだけの形に)
- 議事録(録音を渡すと、議事録と宿題リストに)
- 日報・記録(話すだけで貯まる形に)
- 夜間・休日の一次対応(公式LINEでの自動応答)
判断の物差しは、ご自身の数字で入れる
下の欄を埋めると、比べるための数字が出ます。
| ① 1日に事務へ使っている時間 | 分 |
|---|---|
| ② そのうち毎回同じ形で繰り返している割合 | % |
| ③ 1か月で戻る時間(① × ② × 稼働日数) | 時間 |
| ④ その時間で本当はやりたい仕事 |
③が、人を増やさずに動かせる時間です。④が決まっていれば、③に意味が出ます。④が空欄のままなら、先に④を考えるほうが順番として先になります。
①は感覚ではなく実測をおすすめします。1週間、メール返信・見積書・請求書・議事録・日報にそれぞれ何分使ったかを書き留めるだけで足ります。
まとめ
- 広島市の事業所5万19のうち、1万2,411事業所(24.8%)が個人経営
- 個人経営で働く3万5,564人のうち、4割は経営者本人と無給の家族
- 1事業所あたりの年商は、飲食店で約897万円、洗濯・理容・美容・浴場業で約589万円、医療業で約3,857万円(2020年の実績)
- 最低賃金でフルタイム1人を雇うと、賃金だけで年218万円台。10月11日からの1,141円では年230万円台
- 先に測るのは、事務にかかっている時間と、その時間で本当はやりたい仕事の2つ
出典
- 広島市「令和3年経済センサス‐活動調査結果(産業横断的集計)」第3-1表 産業(中分類)、経営組織(4区分)別事業所数、従業者数及び売上(収入)金額
- 総務省統計局「令和3年経済センサス‐活動調査の概要」(調査期日 2021年6月1日/売上金額は2020年の1年間)
- 広島労働局「広島県の最低賃金について」(10月10日まで1,085円・10月11日から1,141円)
- 広島労働局「令和8年度 広島最低賃金審議会議事録等」第573回(令和8年8月17日)答申文(写)
※本記事は2026年8月25日時点の公表情報にもとづいています。事業所数・売上は令和3年経済センサス‐活動調査の集計値です。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
経営者本人とご家族で回している事業所ほど、事務の時間が経営者の時間をそのまま削ります。この記事の内容と地続きで任せられるのは次の仕事です。
任せられる仕事の全体は支援内容の一覧に、任せたときにひと月で戻る時間の試算(約28時間)はトップページにまとめています。
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