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広島県の後継者不在率は57.9%、全国平均より7.8ポイント高い|事業承継の動向(帝国データバンク2025年)、全国が7年連続で改善するなか2年続けて上昇

帝国データバンクの調査で、広島県の企業の後継者不在率は2025年に57.9%でした。後継者が「いない」または「未定」の企業が、分析できた県内企業の6割近くを占めます。全国平均の50.1%より7.8ポイント高く、全国が7年続けて下がるなか、広島県は2年続けて上がりました。

2021年からの5年を並べると、広島県は64.4%から57.9%へ6.5ポイント下がっています。ただ全国は同じ5年で11.4ポイント下がり、全国との差は2.9ポイントから7.8ポイントへひらきました。広島県の数字が悪くなったというより、全国ほど改善が進まなかった形です。県の推移、中国地方の並び、全国で見た業種と代表者の年代の順に見ていきます。

後継者を決める前に、どの会社でも先にできる準備があります。経営者の頭の中にある仕事を、引き継げる形で書き出しておくことです。その書き出しを経営者ひとりで抱えない方法を記事の最後にまとめています →

広島県の後継者不在率は何%か

2025年は57.9%です。後継者不在率は、帝国データバンクが事業承継の状況を分析できた企業のうち、後継者が「いない」または「未定」と判断された企業の割合です。広島県の5年の推移は次のとおりです。

年広島県全国全国との差
2021年64.4%61.5%+2.9ポイント
2022年59.0%57.2%+1.8ポイント
2023年56.6%53.9%+2.7ポイント
2024年57.6%52.1%+5.5ポイント
2025年57.9%50.1%+7.8ポイント

広島県は2023年の56.6%がいちばん低く、そこから2024年に1.0ポイント、2025年に0.3ポイント上がりました。全国の47都道府県で高いほうから数えると、2025年は11番目です。2025年に前年から不在率が上がったのは広島県を含む13府県で、全国平均の50.1%を下回ったのは24都道府県でした。

中国地方のほかの県と比べるとどうか

中国5県では、広島県は山口県に次いで2番目に低い水準です。ただし前年から上がったのは広島県と岡山県だけで、鳥取県・島根県・山口県は下がりました。

県2021年2024年2025年前年比
鳥取県74.9%70.6%62.7%▲7.9ポイント
島根県72.4%66.5%64.2%▲2.3ポイント
岡山県63.4%57.6%60.1%+2.5ポイント
広島県64.4%57.6%57.9%+0.3ポイント
山口県71.0%56.4%53.4%▲3.0ポイント
全国61.5%52.1%50.1%▲2.0ポイント

2021年の時点では、広島県は64.4%で、山口県の71.0%より6.6ポイント低い水準でした。5年のあいだに山口県が17.6ポイント、鳥取県が12.2ポイント下げたのに対し、広島県は6.5ポイントの低下にとどまり、山口県に抜かれています。

どんな会社で後継者が決まっていないのか

調査は業種別と代表者の年代別の数字も出していますが、どちらも全国の数字で、広島県だけの内訳はありません。そのうえで全国の傾向を見ると、会社が小さいほど、代表者が若いほど不在率は高くなります。

区分(全国・2025年)後継者不在率
大企業24.9%
中小企業51.2%
うち小規模企業57.3%
代表者が50代58.3%
代表者が60代35.9%
代表者が70代27.3%
代表者が80代以上22.2%

業種では建設業の57.3%がいちばん高く、小売業55.2%、サービス業52.9%と続き、製造業は42.4%でいちばん低い水準でした。細かく分けると、住宅建築などの職別工事業61.3%、医療業59.0%、専門サービス58.6%、飲食店57.1%が高いほうに入ります。

代表者が70代でも27.3%、80代以上でも22.2%の会社で後継者が決まっていません。調査は、2025年1〜10月の後継者難倒産425件のうち、代表者の病気や死亡がきっかけになったものが194件と4割を超えることも挙げています。後継者を育てる時間が取れないまま、経営者が動けなくなる形です。

自社に置き換えると

この数字から言えるのは、広島県では後継者が決まっていない会社が6割近くあり、全国との差が年ごとにひらいているということです。誰に継ぐかは、家族や社員、取引先との関係を含めて時間をかけて決めることで、すぐに答えが出るものではありません。

一方で、誰に継ぐかが決まる前から進められる準備があります。経営者の頭の中にしかない仕事を、ほかの人が読める形で書き出しておくことです。見積の考え方、取引先ごとの約束ごと、毎月の支払いと請求の流れ、トラブルのときに誰に何を連絡するか。調査が挙げる「代表者が急に動けなくなった」ときに会社を止めないのは、こうした書き物です。

書き出しは、経営者が話した内容をAIに聞き取らせて下書きにし、経営者が確かめて直す形にすると、少ない時間で進められます。できた手順は、後継者が決まったときの引き継ぎ資料にも、いま働いている社員の手順書にもなります。人に張りついた仕事を、会社に残る形にする準備です。

ただし、株式や事業用の資産の引き継ぎ、税金、後継者探しや会社の譲渡は、税理士などの専門家や、各都道府県にある事業承継・引継ぎ支援センター、取引のある金融機関に相談して進めるものです。AIで決めてよいものではありません。

この統計を読むときの注意

  • 民間の調査会社の自社データ=帝国データバンクの企業データベースをもとに、2023年10月〜2025年10月に事業承継の状況を分析できた全国約27万社を対象にしています。国や県の統計ではなく、県内のすべての会社を数えたものでもありません
  • 市町ごとの数字は無い=広島県の数字は県全体の1つだけです。竹原市・三原市など市町単位の不在率は公表されていません
  • 業種・年代・規模の内訳は全国の数字=上の表の業種、代表者の年代、企業規模は全国の値で、広島県だけの内訳ではありません
  • 一部は当社の計算=全国との差(2.9〜7.8ポイント)、5年間の下げ幅(6.5・11.4・17.6・12.2ポイント)、47都道府県での順位(11番目)、中国5県での並びは、公表値をもとに当社で計算しました
  • 「不在」には事情の違う会社が混ざる=調査によれば、代表者が交代した直後でまだ次を決めていない会社や、そもそも事業を継ぐことを望まない会社も含まれます。不在率が高いことが、そのまま廃業の多さを表すわけではありません

出典

※本記事は2026年9月25日時点の公表情報にもとづいています。2026年の調査は、例年どおりであれば2026年11月ごろに公表されます。

この記事に出てきた仕事、AIに任せると

後継者が決まる前から進められるのは、経営者の頭の中にしかない仕事を書き出しておくことです。手をつける順番は、経営者が話した見積の考え方や取引先との約束ごとを文章に残させる、ばらばらのメモを取引先ごと・仕事ごとの引き継ぎ資料にまとめさせる、その手順を誰が読んでも同じようにたどれる社内マニュアルに整えさせる、の3つです。

担当が代わるときの引き継ぎ書をつくる進め方は引き継ぎ資料に、手順を文章にして残す進め方は社内マニュアルにまとめています。

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