コラム
広島県の平均賃金は月343,242円|規模5〜29人は277,542円、100人以上と11万円差
広島県で実際に支払われている賃金は、常用労働者1人あたり月343,242円です。総実労働時間は137.5時間。広島県が公表した毎月勤労統計調査の令和7年平均(確報・事業所規模5人以上・調査産業計)の数字です。
前年より3.5%増えました。ただしこの343,242円は県全体をならした額です。会社の規模で割ると景色が変わります。事業所規模5〜29人では277,542円、100人以上では427,056円。同じ広島県内で月149,514円の差があります。
賃上げの原資を人件費の中だけで探す前に、事務をAIへ渡す選択肢を記事の最後にまとめています →
広島県の平均賃金はいくらか
令和7年(2025年)平均の確報値です。全国の数字と並べます。
| 項目(月額・5人以上) | 広島県 | 全国 | 差 | 広島の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 現金給与総額 | 343,242円 | 355,941円 | -12,699円 | +3.5% |
| うち一般労働者 | 451,145円 | 465,923円 | -14,778円 | +3.6% |
| きまって支給する給与 | 276,632円 | 287,427円 | -10,795円 | +3.2% |
| 所定内給与 | 256,716円 | 267,532円 | -10,816円 | +3.4% |
| 特別に支払われた給与 | 66,610円 | 68,514円 | -1,904円 | +4.4% |
なお、この343,242円は令和7年(2025年)の年平均です。同じ調査の最新の月次では、令和8年(2026年)6月の現金給与総額が465,068円で前年比0.1%の減少、所定外労働時間(残業)は11.0時間で12.3%の増加でした。最新月の中身は広島県の毎月勤労統計調査(令和8年6月速報)の記事にまとめています。6月は賞与が出る月にあたるため、月次の額は年平均より大きく出ます。
広島県の現金給与総額は全国の96.4%です。増え方も広島+3.5%に対して全国+2.3%で、差は縮まる向きにあります。2年連続の増加です。
「特別に支払われた給与」は賞与などを月平均にならしたものです。343,242円のうち66,610円がここに当たるため、毎月の給与明細で見える額はもっと小さくなります。
労働時間はどれくらいか
同じ調査の労働時間です。
| 項目(月・5人以上) | 広島県 | 全国 | 差 | 広島の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 総実労働時間 | 137.5時間 | 135.1時間 | +2.4時間 | -0.3% |
| 所定内労働時間 | 127.5時間 | 125.3時間 | +2.2時間 | -0.2% |
| 所定外労働時間 | 10.0時間 | 9.8時間 | +0.2時間 | -1.5% |
| 出勤日数 | 17.7日 | 17.4日 | +0.3日 | -0.1日 |
| 一般労働者の総実労働時間 | 165.5時間 | 160.5時間 | +5.0時間 | -0.4% |
総実労働時間は4年連続で減っています。ただし全国と比べると広島のほうが長く、フルタイムで働く一般労働者にしぼると月5.0時間の差です。年に直すと60時間ほどになります。
賃金は上がり、労働時間は減る。この2つが同時に進むと、1時間あたりの人件費は両側から押し上げられます。
会社の規模で賃金はどれだけ違うか
ここからが自社に効く部分です。同じ広島県内を、事業所の規模で割ります。
| 事業所規模 | 現金給与総額(計) | 一般労働者 | パートタイム | パート比率 |
|---|---|---|---|---|
| 5〜29人 | 277,542円 | 395,107円 | 93,331円 | 38.9% |
| 30〜99人 | 343,126円 | 449,465円 | 115,863円 | 31.8% |
| 100人以上 | 427,056円 | 508,032円 | 131,971円 | 21.5% |
「計」の欄で見ると5〜29人と100人以上で月149,514円の差ですが、これはパートの比率が違うことも効いています。働き方をそろえて一般労働者だけで比べても、月112,925円の差が残ります。年に直すと1,355,100円です。5〜29人の水準は100人以上の77.8%になります。
広島県で高卒の求人を出しているのは、29人以下の会社が全体の31.3%でした。同じ生徒を、この給与水準の差がある会社同士で取り合っていることになります。求人の側の数字は広島の高卒求人倍率4.57倍、就職希望は2,296人にまとめています。
5〜29人の会社は、賃金が低く、労働時間は長い
労働時間も同じように規模で割ります。一般労働者の数字です。
| 事業所規模 | 総実労働時間 | 所定内 | 所定外 | 出勤日数 |
|---|---|---|---|---|
| 5〜29人 | 167.1時間 | 155.5時間 | 11.6時間 | 20.3日 |
| 30〜99人 | 163.7時間 | 150.8時間 | 12.9時間 | 19.6日 |
| 100人以上 | 165.2時間 | 149.1時間 | 16.1時間 | 19.2日 |
残業(所定外)は規模が大きいほど長く、100人以上が16.1時間で最長です。ところが所定内労働時間は5〜29人が155.5時間で最も長く、100人以上より6.4時間長くなっています。出勤日数も20.3日で最多です。
残業ではなく、そもそもの勤務時間が長い。賃金がいちばん低い規模で、働く時間はいちばん長いという形です。
1時間あたりに直すといくらか
月額を月の労働時間で割ります。賞与を含む月平均額を総実労働時間で割った参考値です。
| 事業所規模(一般労働者) | 賞与込みの1時間あたり | 所定内給与÷所定内時間 | 1日あたり |
|---|---|---|---|
| 5〜29人 | 2,364円 | 1,949円 | 19,463円 |
| 30〜99人 | 2,746円 | 2,167円 | 22,932円 |
| 100人以上 | 3,075円 | 2,382円 | 26,460円 |
5〜29人の会社では、フルタイムの社員1人の1時間が2,364円です。ここに社会保険料の会社負担分は入っていません。実際に会社から出ていく額はこれより大きくなります。
パートタイムのほうも見ておきます。5〜29人のパートは月93,331円、出勤12.7日、総実69.7時間です。所定内給与を所定内労働時間で割ると1,303円になります。広島県の最低賃金は2026年10月10日までが1,085円で、10月11日からは時間額1,141円です(2026年8月17日の答申を経て、広島労働局のページに効力発生日 令和8年10月11日として掲載・2026年9月12日確認)。答申の中身は広島県の最低賃金は2026年10月11日から1,141円へで扱っています。
産業別の数字は、パートの比率で上下する
産業別の現金給与総額です。パート比率を並べて見ます。
| 産業(5人以上) | 現金給与総額 | 総実労働時間 | パート比率 |
|---|---|---|---|
| 建設業 | 529,068円 | 167.0時間 | 4.9% |
| 製造業 | 453,987円 | 161.1時間 | 10.0% |
| 情報通信業 | 451,950円 | 151.2時間 | 9.3% |
| 医療、福祉 | 310,724円 | 135.0時間 | 29.9% |
| 運輸業、郵便業 | 303,044円 | 153.1時間 | 24.1% |
| 卸売業、小売業 | 289,515円 | 126.8時間 | 47.7% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 202,513円 | 118.9時間 | 54.6% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 133,640円 | 89.7時間 | 78.4% |
宿泊業・飲食サービス業の133,640円は、時給が低いという意味ではありません。働いている人の78.4%がパートタイムで、月の労働時間が89.7時間しかないためです。1人平均で見る数字は、働き方の構成で大きく動きます。
自社の水準と見比べるときは、同じ産業の欄をそのまま当てるのではなく、パート比率が自社と近いかどうかまで見たほうが実態に合います。
働き手そのものが減っている
3つ目の変化です。県内の常用労働者数を並べます。
| 区分(5人以上) | 令和7年 | 前年比 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 常用労働者数 | 1,079,957人 | -3.0% | 2年連続の減少 |
| うち一般労働者 | 740,415人 | -3.5% | 2年連続の減少 |
| うちパートタイム労働者 | 339,542人 | -1.7% | 2年連続の減少 |
同じ期間に全国の常用労働者数は1.5%増えています。全国が増えているなかで広島は3.0%減っており、フルタイムの一般労働者のほうが減り方は大きくなっています。
整理すると、広島県ではこの3つが同時に起きています。
- 賃金は上がっている(現金給与総額 +3.5%・2年連続)
- 1人あたりの労働時間は減っている(総実労働時間 -0.3%・4年連続)
- 働き手の数も減っている(常用労働者数 -3.0%・2年連続)
単価が上がり、1人が使える時間が減り、人数も減る。同じ仕事量を抱えたままだと、この3つは全部同じ方向に効きます。
この3つが同時に起きたときに決めること
数字を自社に当てはめます。空欄はご自身の数字を入れてください。
| 項目 | 自社の数字 | 広島県の参考値 |
|---|---|---|
| ① 事務作業にかけている時間(月) | 時間 | ー |
| ② 1時間あたりの人件費 | 円 | 2,364円(5〜29人・一般労働者) |
| ③ ①×② | 円 | ー |
| ④ ①のうち、毎回だいたい同じ形で終わる作業 | 時間 | ー |
判断が要る仕事は人が持ち続けます。決めるのは④の線引きです。毎回だいたい同じ形で終わる作業は、任せ方を変えられる側にあります。
弊社がこれまでに支援した7社(眼鏡店・歯科・内科・スクール・住宅リフォーム)のなかで実測できているのは、メール返信が1時間から15分になった例です。1日1時間かかっていた作業が15分になると、1日あたり45分が戻ります。
任せやすいのは、判断より作業の割合が大きい仕事です。
- メールの返信(朝、下書きが揃っている状態に)
- 見積書・請求書(数字を入れるだけの形に)
- 議事録(録音を渡すと、議事録と宿題リストに)
- 日報・記録(話すだけで貯まる形に)
- 夜間・休日の一次対応(公式LINEでの自動応答)
従業者4人以下の事業所が多い地域では、事務の仕事量が1人分に届かないまま経営者が抱えている形がよく見られます。この地域構造は竹原市の事業所1,193件のうち752件が4人以下にまとめました。募集をかけても事務は応募が集まる側で、現場の職種とは倍率が真逆になる点は広島県の有効求人倍率1.33倍、事務職は0.40倍で扱っています。
まとめ
- 広島県の現金給与総額は月343,242円、総実労働時間は137.5時間(令和7年平均・確報・事業所規模5人以上)
- 全国は355,941円で、広島は全国の96.4%。前年比は広島+3.5%、全国+2.3%
- 事業所規模5〜29人は277,542円、100人以上は427,056円。一般労働者どうしで比べても月112,925円、年1,355,100円の差
- 5〜29人は所定内労働時間155.5時間で最長。賃金が最も低い規模で、勤務時間は最も長い
- 1時間あたりに直すと、5〜29人の一般労働者で2,364円(賞与込み・社会保険料の会社負担は含まない)
- 産業別の数字はパート比率で大きく動く。宿泊業・飲食サービス業の133,640円はパート78.4%が効いている
- 常用労働者数は1,079,957人で前年比-3.0%。全国が+1.5%のなかで2年連続の減少
- 賃金が上がり、労働時間が減り、人数も減る。3つが同時に起きている前提で、任せ方を変える仕事を先に決める
出典
- 広島県「(参考)毎月勤労統計調査 年平均結果」(令和7年平均・確報。令和8年3月24日公表のページ)
- 広島県「毎月勤労統計調査 令和7年平均結果(確報)」(賃金・労働時間・雇用の動き。全国との比較と前年比)
- 広島県「令和7年平均 統計表 実数表」(第1表〜第7表。産業別・規模別・就業形態別の実数)
- 広島県「毎月勤労統計調査」(上記資料の掲載ページ)
- 広島労働局「広島県の最低賃金について」(10月10日まで1,085円・10月11日から1,141円)
※本記事は2026年8月29日時点の公表情報にもとづいています。全国との差額、全国比の割合、規模別の差額と年額換算、1時間あたり・1日あたりの金額、パートタイムの時間あたり金額は、公表値をもとに弊社で計算した参考値です。1時間あたりの金額は賞与を含む月平均額を月の労働時間で割ったもので、社会保険料の会社負担分は含みません。毎月勤労統計調査の月次で公表される数値は指数のため、実額は年平均の実数表を使っています。
この記事に出てきた仕事、AIに任せると
1時間の値段が2,364円まで来ている以上、事務にかけている時間はそのまま金額です。人を増やして解く前に、毎回だいたい同じ形で終わる作業のほうを先に軽くしておく手があります。この記事の内容と地続きなのは次の仕事です。
任せられる仕事の全体は支援内容の一覧に、任せたときにひと月で戻る時間の試算(約28時間)はトップページにまとめています。
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